作成日:2023/07/05
更新日:2024/10/23
介護施設では、ご利用者さまの安全を守ることやリスクに事前に備えるよう対応をしていかなければいけません。昨今では、様々な介護事故に備えるリスクマネジメントの視点で離床センサーを活用する施設も増えています。
そこで、離床センサーとリスクマネジメントについて学び、どのように介護現場で活かすことができるのか考えていきましょう。
■特許取得の離床予測を活用!テクノロジーで介護を変える見守りシステム
離床センサーとは何か?
離床センサーは、介護施設や病院において主に人の転倒や転落、徘徊などの事故を予防するための装置です。利用者の安全確保とケアの効率化に貢献する重要なツールとなっています。
目的に応じて施設に導入しましょう
離床時の転倒・転落は特に気を付けるべき事故であり、それに伴うケガや合併症は回復に時間がかかる場合もあります。離床センサーは早期の通知や対応を可能にし、事故を未然に防ぐことを可能にしてくれます。
離床センサーには多くの種類がありますので、適切に選ぶためには種類や特徴を理解し、介護度や施設の環境に合わせて必要なセンサーを選ぶことが大切になるでしょう。
センサーの種類と特徴についてはこちらから
https://lashic-care.jp/blog/compairing_bedsensor
https://lashic-care.jp/blog/bedsensor_choice
簡単に使用開始できます
このような設備を設置するのになるべく手間や労力を掛けたくありませんよね。実は、離床センサーはナースコールなどの大規模な工事が必要なものとは異なり、簡単に取り付けが可能です。
工事不要でセンサーを取り付けるだけ
具体的な例を挙げますと主な種類として、マットタイプ、ベッドセンサータイプ、タッチセンサータイプ、超音波・赤外線センサータイプなどがあります。
それぞれの設置方法は異なっていますが、基本的には「置くだけ」・「敷くだけ」が中心です。
例えばマットタイプは、ベッド周辺や居室の出入り口に敷くことで、患者や利用者の離床や徘徊を検知します。荷重がかかるとセンサーが反応し、専用の端末などに通知が届くものが多いです。ナースコールなどのシステムに連動するタイプも存在します。
ベッドセンサータイプであればベッドマットレスの上に設置し、タッチセンサータイプであればベッド柵に直接設置することが可能です。超音波・赤外線センサータイプについては設置場所が柔軟に変更可能ですので、ご施設に合わせて最適なものを選ぶ事ができます。
増える介護事故、介護施設でリスクマネジメントは必須
また、こういった離床センサー等が開発された背景には介護現場での実情が答えを示しています。
例えば、福岡市の介護施設における介護事故の割合を元に情報をまとめると、事故の内容が主に「転倒」であることが分かります。
※資料※
令和2年度 福岡市 介護サービス事業所 事故報告統計 より
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/46654/1/zikohoukokusyokaigosabisu.pdf?20210730143702
高齢者の介護事故は、日常生活の中で移動中や食事、入浴時などに起こりやすいものです。転倒などの事故は、寝たきりになるリスクや重大な身体的影響をもたらす可能性があるため、事前の対策が不可欠であることが分かります。
しかし、こういった事故は事前に防げるものもあれば防げないものもあります。全てを防ぐことは困難であるという前提のもと、事前に防げるものをしっかりと防いでいく考え方が重要です。介護現場のリスクマネジメントは事業者を介護事故や訴訟トラブルから守るという視点でも必要になってくるでしょう。
リスクマネジメントとしての離床センサー
そして、IT機器を使い転倒を防止していく際に重要になってくるのがリスクマネジメントの視点です。では、どのような観点を持つことが大切なのでしょうか?
利用者の「安心・安全」を確保する
介護現場におけるリスクマネジメントの主な目的は、利用者の安全確保です。
ポイントを絞ると、以下の2点にまとめられます。
①利用者を守る:介護現場でのリスクマネジメントは利用者の安全確保を最優先として行います。
②職員を守る:介護施設で働く職員の安心と安全を守る役割も果たします。職員のメンタルヘルスに悪影響を与えるだけでなく、事故による訴訟やクレームなどのトラブルも発生する可能性を見据え環境整備が主に重要視されます。
利用者が安心して介護サービスを受けられるためには、職員が高齢者の状態や環境などを考慮する必要があります。
離床センサーは介護事故の防止に有効
リスクマネジメントの観点から離床センサーを活かすことはできないか考えてみましょう。
先ほどご紹介した介護事故の大きな原因としては、転倒・転落事故が最も多かったですね。
また離床センサーの役割としては、ベッドから離れたことを知る、部屋から出たことを知る、危険の予兆を知る、部屋での行動・状態を知る事が挙げられます。
これらのことを考えると、離床センサーは立ち上がり・起き上がりの際や、施設内の移動をしようとする時など、様々な場面で起こる介護事故の防止に有効と言えるのではないでしょうか。
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介護現場ではヒヤリハットが多いのも事実
介護事故のほかにも、事故につながる一歩手前であるヒヤリハットについても考えておくとなおよいですね。
リスクの特定をすることが大事
ヒヤリハットとは、「重大な事故に起こる直前に、幸いとして大事には至らなかった出来事」のことを指します。
介護現場では突発的な事故と思われることが、実は良く振り返ってみると原因やリスクが明確になっている場合があります。そういったリスクをいち早く察知し、事故になる前に対策を取ることが得策です。
ヒヤリハットの主な原因
ヒヤリハットには大きく分けて三種類の原因があると分類されています。
↑※図解※
これらの原因には、ヒヤリハットと事故の発生原因がほぼ共通しているといわれており、何千もの不確定な要素が事故の背景に関与していることがあります。
そういった状態が長続きすればするほど、事故発生の確率は高まります。
そのため、ヒヤリハットの分析を行い、将来の事故の原因を分析することが大切と言われています。
開閉検知や危険予兆などのセンサー機能で見逃さない工夫
そして、ヒヤリハットを分析した結果から、原因を突き止めて対策を立てられることは施設運営において必要不可欠といえます。
この点、離床センサーは離床時の転倒や行動の把握が得意ですので、介護事故の原因として最も割合の多い転倒へのアプローチに向いているといえます。
また近年はAIの技術を利用した危険の予兆を知らせるセンサー機能もあります。
利用者の情報を元に分析し、離床時間を予測するなどの危機を察知して事前に知らせてくれますので、例えば認知症の進行などにより徘徊してしまう利用者さんに対して、立ち上がるであろう時間を通知してくれる等で活用することも可能です。
今までは防ぐことが難しかったヒヤリハットに対しても、センサーを使うことで予防の幅はどんどん広がっていくでしょう。
介護現場の人手不足を解消し、安全を確保する
また、介護現場の環境という側面でリスクを考慮すると、業界全体における人材不足による影響も少なからずあると考えられます。
介護現場の人手不足実情
日本では介護業界の労働環境が深刻な問題として取り上げられています。
というのも、急速に増加する介護需要に対して、介護職の数は圧倒的に不足しているからです。
このような状況は2025年問題の象徴であり、高齢者の増加が雇用、医療、福祉などの分野に大きな影響を及ぼすことが予想されます。
この問題の背後には、介護職の処遇改善が進まないことや地域間の人材に偏りがあることが挙げられ、これらの要因が解消されない限り介護職人材不足は継続するでしょう。
夜勤業務の削減を離床センサーで実現
人材不足といっても、特に実感を感じやすいと言われる業務としては介護施設における夜勤業務ではないでしょうか。
限られた人員で利用者の見守りや介助を行いながら、翌日の準備や介護記録の記入などの業務も同時に行う必要があります。夜勤業務においてはナースコールなどの対応に追われ、職員間の情報共有が難しく、業務に支障が出ることもあります。
また、夜勤業務には定期的な「巡回」が含まれます。利用者がよく眠れているか・ベッドから立ち上がっていないか等、個々の利用者を見回る必要があります。しかし、各利用者を巡回するには時間がかかるため、巡回は職員にとって大きな負担となる場合があります。
そこで、夜間の見守り負担を軽減するために、見守りセンサー・離床センサーといったテクノロジーの活用が期待されています。
実際に見守りセンサーを導入した事業所では、夜間の見守り業務に要していた時間が約80分程度軽減できたと報告されています。IT機器の活用によって、職員の負担を軽減すると同時に必要な職員数にも余裕を持たせることが可能と言えるでしょう。
これによって職員の業務負担が減り、利用者の見守りや転倒になりうる行動を防ぐ為の精神的余裕が生まれることが考えられます。
離床センサー自体のリスク
今までリスクマネジメントの視点で離床センサーを活用する方法を考えましたが、離床センサーを活用するに当たって、使用するリスクも考慮しておく必要があります。
使用に際するリスクもしっかりと把握する
IT機器も万能ではありません。
離床センサーを使用するに当たってのデメリットについて知っておき、それに対する対策を立てておきましょう。
事前に対策を知っておけば、離床センサーのリスクを回避し患者さんやご利用者の安全を確保することができます。もちろん、患者さんやご利用者の状態やニーズに合わせて最適な離床センサーを選ぶことも重要です。
弊社スタッフが活用をサポートします
離床センサーとリスクマネジメントの視点で活用方法を説明してきましたが、個々の施設で利用者の状況や運営上の事情も様々だと思います。
そんな時は、ぜひ弊社の営業担当者へご相談ください。介護施設の運営を行うグループ企業として、最適な導入方法について、現場を熟知した営業担当者がお客様へ寄り添ったご提案をいたします。
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