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介護現場が抱える情報共有の課題とは?改善方法や効率化の方法について解説

作成日:2024/09/23

更新日:2024/10/28

チームケアを行う介護現場において、多職種における情報共有がもっとも重要であることはご存じの方も多いと思います。
しかし実際現場では「後から記録しようと思って忘れてしまった」「確認すべき情報を見落とす」などが多く存在します。
その結果、ご利用者様に大きな損害を与えてしまうことになりかねません。

この記事では、どうすれば介護現場においてスムーズに情報共有がおこなえるのか、課題を明確にし改善方法や効率化について詳しく解説していきます。
 

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介護現場で情報共有が重要な理由


介護現場において、情報共有が重要な理由についてご紹介します。
重要であることは、介護職員として働き始めたころから分かっている方がほとんどでしょう。

しかし、なぜ重要なのかを完全に理解していない方も多いのではないでしょうか。

実際、私も介護職員として勤務している時には、先輩介護職員から情報共有について指導を受けました。
ただ日々変化するご利用者様対応で慌ただしく、分かってはいても必要な情報が共有できず、ご利用者様に迷惑をかけてしまった経験があります。
同じ失敗を繰り返さないためにも、介護現場において情報共有が重要である代表的な理由を5つご紹介しますので、一緒に振り返ってみましょう。

トラブルや事故の防止のため

情報共有は、ご利用者様やその家族とのトラブルやクレームを防ぐためにもとても重要です。
介護現場では、スタッフとご利用者様とのやり取りや、ご家族様との情報交換などさまざまな場面が想定されます。

場面ごとに得た情報を、聞いた人だけで留めてしまうと「聞いてない」「知らなかった」「伝えたのに」などと、不信感を招くだけではなく信用も失いかねません
介護事故についても同様、シフト勤務の多い介護現場において日々変化するご利用者様の大切な情報を共有しておく必要があります。
例えば、身体的変化や精神的変化、いつもとちょっと違うという違和感など、情報の共有をしなかった結果、介護事故につながってしまったという事例は多く聞かれます。

つまり、情報共有はトラブルや介護事故防止のためにはとても重要なポイントであるといえるでしょう。

緊急時に適切な対応をするため

疾患や障害を抱える高齢者が入居する高齢者施設ですが「いつもと違う」「急変」などの異常に対し、適切な対応が求められるのは介護現場の皆さんです。
そんな時、普段の状態を知らないと、変化にも気付けないだけではなく、急変時の対応も出来ません

つまり、普段の状態を記録に残すことはもちろんですが、少しの変化であっても情報共有しておくことはとても重要になります。
救急搬送される場合においては、救急隊員に対し多くの情報を提示する必要がありますし、入院になった場合には、病院への情報提供も必要になりますので、普段から情報を整えておく必要もあります。
また、緊急時の対応について、介護施設としての対応が適切だったかをめぐる本人や家族とのトラブルを防ぐことにもつながりますので、常に情報共有できるようにしておくことが重要になります。

多職種の職員と連携し、サービスの品質向上をするため

介護施設では、介護職員以外にもさまざまな職種が働いています。
たとえば医師・看護師の医療関係者やリハビリ専門のPT・OT、他にもケアマネジャーが勤務していることもあるでしょう。
つまり、ご利用者様一人ひとりのケアを行う際には、普段の様子を知っている介護職員の情報を多職種に共有しなくてはならないということです。

介護職員の情報は、それぞれの職種に重要かつ必要な情報になる場合が多いので、多職種がフラットな関係を作り、円滑な情報共有をしておくことが重要なポイントになります。
そして関わりの少ない職種の方にとっては、普段から多くご利用者様に関わっている介護職員からの情報発信は、統一したケアを提供するためにも、どの職種にも重要な情報になるということです。
ご利用者様によりよいサービスを提供するためにも、日々の情報共有をうまく行いましょう。

担当する職員が変わるため

介護施設は「365日24時間体制」でご利用者様のケアを行っています。そのため、時間ごとにシフトが組まれている場合が多く、定期的に職員の入れ替わりがあります。
1日でみても、数回職員の入れ替わりが発生しますので、ご利用者様に対して質の高いケアを提供するためには、普段から密な情報共有が欠かせません。

ご利用者様の体調変化やケアの内容、主治医からの指示や看護師からの申し送り事項、リハビリ職からのケアに対する注意事項など、さまざまな情報を漏れなく共有しなければなりません。
「知らなかった」「聞いてない」という言葉が飛び交う環境では、質の高いケアが提供できないのは、誰でもわかりますよね。
担当者が入れ替わったとしても、ご利用者様に対して質の高い適切なケアを行うには、情報共有が最も重要であることは言うまでもないでしょう。

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介護現場が抱える情報共有の課題


情報共有の重要性について記載しましたが、とはいえ介護現場においてさまざな課題もあるでしょう。
そんな課題について代表的な3つをご紹介していきます。

リアルタイムでの情報共有が困難

前項でもお伝えしましたが、介護施設は「365日24時間」対応が基本になりますので、シフト勤務であることはもちろんですが、日々さまざまな介護業務があります。

例えば、入浴や排泄、レクリエーション、食事介助などが挙げられます。
その日の役割に応じて、発生する出来事や日々の変化などの気付きを、都度カルテや介護記録用紙に記入することになるわけですが、ご利用者様への対応が最優先の現場では、リアルタイムに書き込むことはできません
そのため、記入が後回しになったり、時には忘れてしまったりすることもあるでしょう。

また、シフトで遅く出勤するスタッフへの伝達の際に、共有が漏れてしまうこともあるのではないでしょうか。
介護施設の現場において、リアルタイムでの情報共有は大きな課題といえます。

人によって共有する情報にばらつきが生じてしまう

これまでの知識や経験、スキルや性格によって、記載する情報にばらつきがあると感じたことはありませんか?
同じ事象であっても、感じ方や視点が違ったり、分かりやすく細かく記載しているかどうかで、伝わってくる情報の質も変わってしまいます。

書き方が違っても、伝えるべき内容が情報としてあがっていれば問題はないですが、不要な情報にしかなっていない場合には、共有しても意味がないということになってしまいます。
経験もスキルも違う現場において、必要な情報を同じレベルで共有することも、介護現場においては課題のひとつといえるのではないでしょうか。

全職員で情報共有を行うことが困難

介護施設の現場はシフト制がほとんどであることは、お伝えした通りです。
現場によっては「共有ノート」「連絡ノート」「連絡シート」などさまざまな共有ツールが存在しますが、介護現場においては全員に統一した情報を共有しなくてはいけない場合も多くあります。

一方で、それぞれの共有ツールで確認する媒体が異なることで、確認の手間がかかって介護職員の把握度合いにばらつきが出てしまう事もあります
また、ご利用者様の個人情報も記入しますので、全員がすべての情報を見れない場合もあります。
そのため、全員で全く同じ情報を共有する仕組みを構築することは、介護現場において大きな課題になっているということです。



介護現場で情報共有を効率的に行う方法


それでは、介護現場において情報共有を効率的に行う方法とは、どのようなものがあるかを紹介していきます。
ぜひ参考にしていただき、質の高いサービス提供につなげてください。

職員対して情報共有についての教育を実施する

情報共有を介護施設で働く職員に促すには、情報共有のメリットや目的を全員に理解してもらう必要があります
たとえば、サービスの質が向上すること、トラブルを未然に防げること、また業務負担が軽減されることなど合わせて伝えると良いでしょう。

具体的な教育としては、相手に伝わるような文章を書くスキルアップを目指し、繰り返しトレーニングを実施すること。
ただし、文章を書く力がついても、情報内容が適切でない場合は共有の意味がなくなってしまいます。

そこで、情報を記録する際のポイントとして3つあげられますので、計画的に教育を行うときに以下の目的をしっかりと伝えることをおすすめします。

①情報共有の必要性についての教育・シフト勤務の介護職員やご利用者様に関わる全ての人が、常に新しく正しい情報のもと連携し支援するため。
・ご利用者様およびご家族様との情報の行き違いなどによるトラブルを防ぐため。
・職場のスタッフ同士が口頭で伝えるのではなく、記録を当たり前とし仕事前にご利用者様の正しい情報を見る環境を作るため。
②情報共有の重要性についての教育・誤情報のままケアを行うことによる介護事故につながるリスクを未然に防ぐため。
・多職種連携により質の高いケアを提供するため。
③情報共有がない場合のリスクについての教育・情報の行き違いや異なる情報を共有してしまうことで、誤ったケアを実施してしまい介護事故につながるリスクがある。
・情報の抜けや職員の無駄な残業により、心身にストレスを抱える恐れがある。


この3つを繰り返し教育し伝えていくことで、情報共有が介護施設の業務において重要であることを理解でき、記録や伝え方にも変化がみられるでしょう。

情報共有についてルールを定める

情報共有については、それぞれの介護施設でやり方が異なっています。
問題なく共有できているという介護施設には、ある共通点があります。

それはルールが決まっており、情報共有が仕組化されているということです。
つまり、職員同士が何を共有すべきかを悩まないためにも明確なルールを定めることをおすすめします。具体的なルールについては以下の4つです。

①情報共有する担当者を決める
②情報共有すべき内容を統一する
③情報共有するタイミングを決める
④情報共有で活用するツールを簡素化する

これ以外にも、特定の状況ごとに細かくルールを設定しておくことで、臨機応変に対応することができます。

ICTツールの導入


ICTツールとは、コミュニケーションや情報共有に特化したITツールです。
また使いやすいデザインのデジタル機器やアプリもありますので、不慣れな人でも操作しやすく使いやすいのではないでしょうか。
しかし、介護現場における情報共有について2024年の介護報酬改定においても、ICT化が推進されていますが、まだまだアナログで管理している介護施設も多いのが現状です。

昔ながらの紙ベースでの共有については、特定の人に向けた情報共有は円滑にできても、多職種連携となると急に難しくなるのではないでしょうか。
情報共有におけるICT導入についていくつかご紹介します。

ビジネスチャットで円滑化

ビジネスチャットとは、ビジネスシーンに特化したコミュニケーションツールで、Web上でリアルタイムに簡単にやり取りができるというのが、最大の魅力といえるでしょう。
介護現場の情報共有がリアルタイムで行えますので、いままで紙ベースで共有していた多職種連携等がしやすくなります。

またパソコンだけではなく、タブレットやスマートフォンでも利用が可能ですので、普段から使用しているスマートフォンのチャット機能と同じ感覚で簡単に使えます。
さまざまな年代の方が業務を行っている介護現場においても、すぐに受け入れられるのではないでしょうか。

インカムで即時に情報をキャッチ

介護現場におけるインカム導入については、多くのメリットが報告されています。

・職員間のコミュニケーションがとりやすく、情報共有が即座に行える。
・全員で働いている感覚を味わえ、一体感がでる。
・業務の効率化や無駄な動きを削減できる。
・ケアの質の向上につなげられる。

このように、インカムで即時に情報をキャッチできますので、どこにいてもリアルタイムな情報共有が可能になります。

LASHIC‐careとBONXの連携


LASHIC-care(ラシク-ケア)とは、業務効率化とケアの質の向上を両立する介護施設用のデジタル見守りシステムです。
BONXは、音声とテキストを活用してチームをつなぐコミュニケーションツールです。
この2つが連携して出来ることは以下の通りです。

・マイク付きイヤホンを活用すればハンズフリーなので、介助を中断することなく現場の情報をキャッチしたりコミュニケーションを図れます。
・Wi-Fiやモバイル通信を介して、送迎中や外出中のスタッフと連携できます。
ナースコールが直接耳に入るので、現場スタッフと連携しながらすぐに対応ができます。
・緊急時には、対応しながら応援を呼んだりサポートに入ったりできます。

LASHIC-care(ラシク-ケア)とBONXの連携については、詳細はこちらのページからご確認いただけます。

LASHIC-careとBONXは、介護現場全体の情報共有における多くの悩みを解消してくれるような、とても有効なツールなので、効率よく記録を記入したり職員同士のリアルタイム連携を進めるためにICT化を考える方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。



まとめ

介護現場が抱える情報共有についての課題や改善方法・効率化についてご紹介しました。
情報共有については、情報をリアルタイムで共有すること、共有する情報にばらつきが生じてしまうこと、シフト勤務が多いので全員での共有が難しいことの3つの代表的な課題があり、課題解決に向け日々模索している介護施設も多いでしょう。
また、情報共有を効率的に行うためには、職員教育やルール化がとても重要になります。
これらの課題解決やルール化を実現するためにも、ICT化の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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