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【介護施設運営が考える】転倒(尻もち)などの介護事故に対策し予防するためには

作成日:2022/11/10

更新日:2023/11/08

転倒(尻もち)などの介護事故に対策し予防するためには

「利用者の転倒をなくしたい」「誤薬のミスを防ぎたい」と考えている介護施設運営者や介護士はいませんか。
 
介護事故を予防することは、利用者に安心・安全な暮らしを提供できることを意味します。介護にかかわる以上、利用者の安全に気を配るのは当然といえるかもしれません。しかし、気をつけていても介護事故は起こってしまうのが現状ではないでしょうか。
 
「これ以上、どのように対策すれば良いのかわからない」という方のために、本記事では職員間のコミュニケーションに着目した介護事故の予防策をご紹介します。

繰り返される重篤な介護事故

日本全国でどのくらいの介護事故があるのか気になる方もいるかもしれません。しかし、介護事故の件数は、非公表の自治体が多く厚生労働省でも未集計のため詳しくはわかりません。
 
そこで、公表している数少ない自治体のなかから北海道十勝総合振興局が2019年に公開したデータをご紹介します。資料によると2019年の管轄内での介護事故数は9,709件でした。2015年と比較すると約2,000件も増加していることがわかります。つまり、5年間で約25%も増加しているのです。
 
このような介護事故の増加は北海道だけではなく、全国的に起きていると予想されます。団塊世代が75歳を超えて高齢者の人数が増えていることや、介護職の人員不足が深刻なためです。また、同調査では誤嚥による死亡事故が47件、骨折に至っては2,916件でした。重篤な介護事故が繰り返し起きている現状も読み取れます。
 
重篤な介護事故が起きてしまうと、利用者のADLが低下するなどの不利益につながるため、責任問題となることもあるので注意が必要です。実際に、介護施設や職員に責任が問われた事例を2つご紹介します。

532万円の賠償金の支払いを命じられた事例

2016年に兵庫県の県立病院で起きた事例です。

看護師がトイレ介助中に別の用件のためその場を離れたところ、利用者が転倒してしまう事故がありました。この事例では、転倒による怪我が原因で寝たきり状態となったことが認められ、県に532万円の賠償金の支払いが命じられました。
 
このような場面は介護現場でよくあると思いませんか。
例えば、トイレ介助中に他の部屋からナースコールがなった場合です。居室が近い場合や対応できる職員がいない場合は、少しの間ならとナースコールに対応することもあるでしょう。
つまり、兵庫県の事例はどのような介護施設であっても起こりうる事例といえます。

介護事故から職員の刑事責任が問われた事例

次に紹介するのは、介護士が刑事責任を問われた事例です。
 
2013年に長野県の特別養護老人ホームで、ドーナツを食べた利用者が誤嚥・窒息してしまい死亡するという介護事故が発生しました。その際に、ドーナツを利用者に配った介護士が業務上過失致死罪に問われたのです。介護関係者から注目を集めたこの裁判は、一審で有罪となり過失があったと認定されました。二審では逆転無罪となり結審しているのですが、無罪が確定したのは2020年と事故から約7年もかかっています。
 
この事例の注目すべき点は、一度有罪となっていることです。直前に食事形態の変更があったにせよ、普段食べていたドーナツを配ることで、安全に対する配慮が足りなかったとして罪に問われたのです。つまり、重篤な介護事故が発生した場合は、対応した介護士や看護師が刑事責任を問われる可能性を示しています。
 

介護事故が起こると事故報告書の提出が必要

ご紹介してきたような裁判沙汰にならなかったとしても、介護事故が起こると事故報告書の提出が必要です。
 
事故報告書には、対策方法などを記入する欄がありますので、再発予防のためにも重要な書類です。しかし、作成のフォーマットは都道府県や市区町村によって異なります。また、作成するためには原因の調査や記載に時間がかかります。そのため、事故報告書を作成するのは手間のかかる作業ともいえるでしょう。
 
人員不足が深刻な介護施設であれば、事故報告書作成に人員が割かれてしまうと、さらに現場の人数が減ることになります。すると、利用者への見守りが不十分となり、介護事故が起こりやすくなります。負の連鎖が続いてしまうことにもなりかねません。そのため、介護事故が起こった後の対策も大切ですが、それ以上に介護事故を起こさない取り組みが重要になります。

介護事故の多い事例とは

介護事故を減らすためには、発生確率の高いものから対策するのが効果的です。
 
介護事故で多いのは「誤薬」「骨折」「打撲」「誤嚥」です。冒頭で紹介した北海道十勝総合振興局の調査によると、2019年のこれら4つが介護事故で占める割合は92.7%でした。具体的な内訳は以下のとおりです。
 

・誤薬 34.9%
・骨折 30.0%
・打撲 20.7%
・誤嚥 7.1%

 
つまり、これら4つについて十分に対策することで、介護事故は減らせるはずです。対策方法を検討するためにも、それぞれの介護事故の原因や一般的な対策方法について紹介します。
 

骨折・打撲

骨折と打撲を合わせると介護事故の割合で半数を占めるほどになります。骨折や打撲の主な原因は、転倒(尻もち)や転落です。
 
そもそも利用者が骨折や打撲をするのは、骨粗鬆症などで骨が折れやすくなっていたり、足腰の機能が弱り若いころのように歩けず転倒しやすかったりするためです。
 
しかし、認知症を患っていれば「自分は転倒リスクが高い」と判断できない方も珍しくありません。また、本人は若いころのように歩けると考えていることもあるため、不意に動き出して介護職の介助が間に合わずに転倒してしまうこともあります。同様にして、ベッドや車椅子から転落してしまうこともあります。
 
そこで一般的に行われている対策は、感圧式センサーや赤外線式センサーなどで利用者の動きを感知すると、すぐに介護職が訪室してサポートすることです。
 
しかし、センサーなどを利用しても間に合わないこともあるでしょう。そこで、弊社のLASHIC-careをおすすめします。本システムには「離床予測」機能が搭載されています。立ち上がる前の段階で予測して介護士へ通知するため、転倒リスクの高い方が立ち上がる前に対応できます。
 

誤薬

誤薬は適切な薬が飲めないことを意味するため、重大な結果につながる可能性のある介護事故です。
 
介護施設を利用している利用者の多くは、何かしらの疾患を抱えているため薬の服用が必要です。しかし、介護度によっては、自分自身で薬を管理・服用することが難しく、看護師・介護士によるサポートが必要となります。
 
そこで、問題となるのは利用者の人数により管理する薬の数が多くなるため、間違えて提供してしまうことや、反対に提供し忘れてしまうことです。例えば、「Aさんの薬を間違えてBさんに飲ませてしまう」「朝食時に飲まなければならない薬を提供し忘れる」といった具合です。
 
誤薬を防ぐために、服用前に2人以上の職員が名前・服用時間(日付・朝食・昼食・夕食・眠前など)を確認する、ダブルチェック・トリプルチェックをするのが一般的な対策方法となります。1人では思い込みにより間違えてしまうこともあるため、2人以上で確認することによりミスを予防できるためです。
 
そのため、誤薬防止するには円滑なダブルチェックを実現するために、職員間でコミュニケーションしやすい環境を整えることが大切です。
 

誤嚥

誤嚥は、介護事故全体の割合から見ると少ないと思うかもしれませんが、窒息により命を落とす危険性が高いという特徴があります。それを示すように、北海道十勝総合振興局の調査では2019年の死亡介護事故のトップが誤嚥でした。
 
比較的健康な方がいきなり窒息により亡くなってしまうので、家族にとっても受け入れがたく、トラブルとなるケースもあります。したがって先に示した事例のように、介護施設・介護職の責任問題となることもあるので注意が必要といえるでしょう。
 
誤嚥をなくすためには、食事形態や介助方法の見直しなどにより、適切な食事・方法で提供することです。しかし、それでも完全に誤嚥をなくすことは難しいため、窒息した際の対応方法も重要になります。対応マニュアルを作成して、どの職員であっても対応できるようにしましょう。

介護事故の原因はコミュニケーション不足

介護事故の大きな原因は、職員間のコミュニケーション不足です。
先に紹介したトイレでの事故にあてはめて考えてみましょう。トイレ介助中に別用件ができてしまって離れざるを得なくなったときに、他の職員に見守りを依頼できていれば転倒するリスクを下げられたかもしれません。
 
このように、ちょっとしたコミュニケーションが事故を防止するために役立つのです。しかし、介護職や看護師は多忙なため、職員同士でコミュニケーションを密にとるのは難しい現状があります。例えば、以下のようなケースです。
 

ベテラン職員に確認できない

新人職員など介護に不慣れな職員がベテラン職員に確認できずに、事故となるケースが少なからずあります。例えば、服薬でのダブルチェックをどの職員に確認すれば良いのかわからず、自己判断で提供してしまい事故になるケースです。また、新人職員の近くにいた転倒リスクの高い利用者が立ち上がっても、危険を予知できずに転倒してしまうこともあります。
 
どちらの場合も、先輩職員と密にコミュニケーションがとれれば防げた可能性があります。
 

介助しながらコミュニケーションがとれない

介護施設に導入されている一般的なPHSやスマホでは、介助をしながら他職員とコミュニケーションがとれません。おむつ交換やトイレ介助、入浴介助といった介助中は、手を動かしているためPHSやスマホを使えないためです。しかし、それでは介助中にコミュニケーションが必要となった場合に困るでしょう。
 
例えば、利用者の排泄介助にトイレまでいったものの、衣類を汚染してしまい着替える場合です。そのような際に、自分で着替えをとりに行ってしまうと、利用者によっては立ち上がってしまい転倒につながることもあります。
 
そこで、介助をしながら他職員とコミュニケーションをとれるデバイスがあればどうでしょう。服を脱がせている間に、他職員に着替えを持ってきてもらえるようになります。つまり、コミュニケーションツールを充実させることで介護事故を減らすことができるのです。

介護事故の対策はコミュニケーションツール導入がおすすめ

介護事故の予防には、職員間の円滑なコミュニケーションが重要な役割を果たします。そこで、おすすめをしたいのは、弊社のLASHIC-care(ラシク)のBONX連携です。
 

LASHIC-care(ラシク)のBONX連携の特徴

LASHIC-care(ラシク)のBONX連携を用いることで、イヤフォンを活用したコミュニケーションと、見守りセンサーが察知した危険を作業しながら受け取れるようになります。
 
イヤフォンのため機械を手で持つ必要がなく、画面を確認する必要もありません。介助をしながらでも、他職員とのコミュニケーションが図れます。さらに、Wi-Fiやモバイル通信を使うことで、屋外でも利用できます。つまり、送迎に出ている職員とのコミュニケーションにも利用できるのです。
 
例えば、1人で送迎対応していて困ったことがあっても、すぐに相談できるようになります。このように、いつでも簡単に使えるコミュニケーションツールがあると、介護事故の予防や介護職の不安を和らげるのに役立つでしょう。
 
LASHIC-care(ラシク)とBONXの連携の詳細はこちら
 

介護事故が起こる前に対策を強化しよう

介護事故が起こると、利用者にとって取り返しのつかない事態になることもあります。加えて、施設側も賠償責任や刑事責任に問われる可能性もあります。
 
そのような事故防止に役立つ方法は、ヒヤリハットの活用や事故防止策の徹底です。しかし、介護職が注意したり頑張ったりするだけでは、事故を減らすのには限界があります。
 
そこで、効果的に介護事故を防ぐために、デバイスやツールなどによって事故が起きにくいシステムを構築しましょう。デバイスやツールをお探しの介護施設様には、弊社のLASHIC-careのBONX連携をおすすめします。まずは、お気軽にご相談ください。

また、事故防止のためにどのようなことができるのか事前に施設で検討しておくことも大切でしょう。その際に配布できる資料として今回の記事をPDFでまとめた資料をご用意いたしましたので資料のダウンロードページからダウンロードいただき是非ご活用ください。

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