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【徹底解説】ナースコール無線化によるメリット・デメリット

作成日:2022/07/17

更新日:2024/04/09

【徹底解説】ナースコール無線化によるメリット・デメリット

ナースコールは、介護施設において利用者さま・入居者さまが安心して過ごすためになくてはならない機器です。そのため、一度導入すると10年以上利用されることも珍しくありません。
 
しかし、ナースコールの使い勝手の良し悪しは介護職員の業務効率に影響するだけではなく、利用者さまの満足度にも影響します。新たにシステムの導入や入れ替えを予定している施設さまは、有線式・無線式の種類から検討されることをおすすめします。無線式には、有線式にはないメリットがあるためです。
 
本コラムでは、ナースコールの無線化によるメリット・デメリットについて徹底解説します。選考する際に役立てば幸いです。

ナースコールの種類

ナースコールは大きく分類すると、壁面やベッドサイドの接続口から線でつなげる「有線式」と、Wi-Fiなどを利用することで線を必要としない「無線式」の2つに分けられます。
 
有線式のナースコールは、大きな病院や介護施設で以前からよく利用されています。壁面から線でつながったナースコールを実際に見たり、触ったりしたことがある方も少なくないでしょう。有線式のメリットは、線により本体とつながっているため電池を必要としないことです。
 
一方、無線式ナースコールは電波の届く範囲であればどこでも持ち運べるという特徴があります。

有線式ナースコールの課題

以前から利用されている有線式ナースコールは、電池交換が不要というメリットがある一方で課題もあります。例えば、線の届く範囲内にしかナースコールを設置できないことです。また、導入する際は大掛かりな工事を必要とするため、導入コストが高額になることも課題です。

ナースコールの無線化による4つのメリット


有線式ナースコールの課題をカバーする方法として、ナースコールの無線化があります。無線化することにより、以下の4つのメリットがあります。

メリット①:導入コストを抑えられる

無線化のメリットの1つ目は、導入コストが抑えられることです。有線式ナースコールを導入する際は、本体から各部屋を線でつながなくてはならないため、大規模な工事を必要とします。そのため、有線式では高額な導入コストがかかってしまいます。
 
無線式ナースコールは本体をコンセントに挿すだけで利用できるため、大掛かりな配線工事を必要としません。そのため、導入コストを抑えられます。また、コンセントに挿すだけで利用できるため、好きな場所に設置できるのも無線化による魅力です。お部屋だけではなく、食堂やホールなどにも対応できるようになります。
 

メリット②:お部屋のレイアウトが自由になる

無線化することで、利用者さま・入居者さまにもメリットがあります。それは、ベッドの位置を自由自在に変更できることです。
 
有線式では線の届く範囲にベッドを設置する必要がありました。しかし、様々な病気・障がいに合わせた介護サービスを提供するためには、画一的なレイアウトでは都合が悪い場合もあるでしょう。
 
無線式ナースコールは、線の長さによる制約をなくすことで自由自在にベッドの場所を変更できるようになります。つまり、利用者さま・入居者さまのこだわりや介護方法に適したレイアウトにすることが可能です。パーソナライズされた環境の実現は、満足度の向上にもつながります。
 

メリット③:広い範囲でコールできる

無線式ナースコールは、電波の届く場所であれば部屋のどの場所からでもコールできます。ベッド上で過ごされている際はもちろんのこと、お部屋でテレビを楽しまれているときでもナースコールを利用できるのは、利用者さまの安心につながるでしょう。
 

メリット④:他のセンサーと連携しやすくなる

無線式ナースコールはWi-Fiを利用して通信を行うため、良好な通信環境下で利用することとなります。このような環境下であれば、Wi-Fiを利用した他のセンサーとの連携が可能です

例えば、赤外線センサーや感圧式センサーなどをナースコールと連携させることで、介護スタッフに伝える方法を一元化できるでしょう。また、センサー類を無線化することで、事故防止に最適な位置にセンサーを設置できるのもメリットです。

ナースコースの無線化による2つのデメリット

ナースコールの無線化は、メリットがある一方で2つのデメリットもあります。ここでは、デメリットと対策方法について紹介します。
 

デメリット①:電池交換や電源との接続が必要となる

無線化することによるデメリットは、電池や電源との接続が必要になることです。電池が切れてしまうと使えません。「コールしたくてもできない」を避けるためには、定期的な電池交換か電源への接続が必要です。電池が切れることがないよう、定期的、又は早めの交換を心がけましょう。
 

デメリット②:電波状況により動作が不安定になる

無線式ナースコールはWi-Fiなどの電波の混線具合や電波状況によって、動作が不安定になることがあります。例えば、音声が途切れたり、ナースコールを押しても作動しなかったりなどです。
 
対応策としては、ナースコールの利用範囲に電波をしっかりと届けられるよう、通信環境を整備することです。通信機器を適切な場所に配置したり、通信を補助する機器を導入したりすることで、電波状況が不安定になるのを防げます。

ナースコールの無線化で広がる可能性


ナースコールの無線化による効果は、単にコードがなくなることだけではありません。Wi-Fiを活用したセンサーとの連携や、センサーから集められた情報の一元管理、それらの情報をもとにしたカンファレンスなど様々な可能性が広がります。
 
例えば、各種センサーから集めた情報を活用することで、夜間の巡視業務・データ入力作業の軽減につながります。介護スタッフの負担を軽減することで、離職予防にもつながるでしょう。
 
弊社では、さらに一歩進んだ可能性として「離床予測」システムを開発しました。従来、赤外センサーや感圧式センサーなどは、利用者さまの動きを感知してから介護スタッフにお知らせしていました。しかし、それでは介護スタッフが急いで駆けつけても間に合わないケースがあります。
 
そこで、「離床予測」の出番です。各種センサーとAIによって離床する前に予測をお知らせすることで、従来のシステムでは間に合わなかったケースも余裕をもって対応できます。利用者さま・入居者さまの転倒やケガのリスクをさらに減らせるでしょう。また、介護スタッフにとっても「離床予測」システムがあることで、「センサーが反応したら、すぐに駆けつけなければならない」というプレッシャーの軽減にも役立ちます。
 
このようにナースコールの無線化は、様々な可能性が広がるのも魅力です。

ナースコールの無線化はフレキシブルな施設運営に役立つ

ナースコールの無線化によるメリットは、「導入コストが安い」「自由自在に設置できる」「コールできる範囲が広い」「他のセンサーやシステムと連携しやすい」です。
 
昨今の介護施設を取り巻く環境として厚生労働省では、介護職員の人員不足、被介護者の増加などを背景に介護ロボットの開発・普及を推進しています。そのため、新たな介護ロボットが次々に登場していますが、これら介護ロボットの多くはIoTと呼ばれインターネットとの接続が必要です。
 
参考:厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000209634.html
 
つまり、ナースコールの無線化は、Wi-Fiの環境整備もともなうため介護ロボットを導入しやすい土台作りにもなります。次々に開発される介護ロボットをフレキシブルに活用するためにも、無線式ナースコールの導入は役立つことでしょう。

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