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特養(特別養護老人ホーム)の人員基準は?職種別の人員配置基準を解説

作成日:2024/05/09

更新日:2024/05/14

特別養護老人ホーム(特養)とは、厚生労働省によって、「要介護状態の高齢者施設であり、入浴・排泄・食事などの介護やその他の日常生活の世話や機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う施設」とされています。特別養護老人ホームに適用される人員基準が厚生労働省によって定められています。本記事では、特別養護老人ホームの種類、職種別の人員基準、人員基準に困った際の解決策についてわかりやすく紹介していきます。


特養の特徴と居室タイプの違い

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特養は大きく分けて広域型特養・地域密着型特養・地域サポ-ト型特養に分けられます。

それぞれ一般的な特養として広域型(定員なし)、要介護3以上の方限定の少人数で家庭的な雰囲気のある地域密着型(定員29名以下)、在宅での自立生活を送れるよう支援をする地域サポート型(定員25名以下)という特徴があります。

居室タイプで言うと、従来型とユニット型の二つの種類があります。従来型はさらに多床室と個室に分かれます。


従来型では多床室を使用している施設が多くあります。

多床室の特徴は1つの大部屋を最大4人で使用します。各ベッド間に壁はなく、カーテンなどで仕切られています。個室は基本的には1人で使用するタイプの部屋になります。

介護職員の働き方としては、多床室と個室、どちらのタイプも大人数の要介護者を大人数の介護職で担当します。


ユニット型はユニットと呼ばれる10人前後の少人数を1つの単位として介護を行う施設です。ユニットと呼ばれている単位は共同生活空間(リビングルーム)を囲むように個室が設置されています。

利用者一人一人が個室に入居するため、プライバシーが確保されやすく個別ケアに比重が置かれ、一方で共同生活室が近いため直接入居者同士の交流も行いやすいとされています。

厚生労働省「令和2年度介護事業経営実態調査結果」のデータによると、従来型では常勤換算1人あたりの平均利用者数が平均2.2人ですが、ユニット型では平均1.8人と異なり従来型と比較すると少人数の入居者を少人数のスタッフで担当します。


職種別に人員基準を解説

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ではここから職種別の人員基準について解説します。人員配置基準は施設形態ごとに異なるため、それぞれ確認することが必要です。

特別養護老人ホームの人員基準は介護保険法や老人福祉法に則り職種ごとに何人が必要か定められており、本記事でも職種ごとに一覧で仕事内容と合わせて見ていきましょう。

出典:厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の報酬・基準について(検討の方向性)」


施設長

特養での施設長の人員基準は常勤で1人と定められています。基本的には専従とされていますが、業務に支障が出ない範囲での兼務、例えば介護業務や同敷地内にある他の介護事業所の施設長と兼任などが認められています。

施設長は特養における施設全体の責任者・管理者です。厚生労働省によって、施設長の資格要件は決められており、「社会福祉主事の要件を満たすもの」「社会福祉事業に2年以上従事したもの」「社会福祉施設長資格認定講習会を受講したもの」のいずれかの条件を満たす必要があります。

業務内容は施設の運営やスタッフの教育が中心になります。施設の運営には3年に1度改正される介護報酬の把握が必須になり、改正のたびに新しい情報を収集する必要があります。

運営を行うためには収支管理や人事、施設内での感染症の発生や事故発生時の届出などの業務を行う必要があります。

また、施設内での介護サービスを維持・向上するために介護スタッフの教育を行えるように環境や研修を整えることも重要になります。

施設長は介護業務との兼任も可能となっており、介護職として働く施設長も多くいます。

 

また、ユニット型では各ユニットでユニットリーダーがおり、管理者として運営だけでなくご家族との連絡や相談窓口になることもあります。

 

医師

特養における医師の人員基準は必要な数と定められています。そのため、施設内に常駐していることよりも、利用者の健康管理や療養上の指導目的に決まった曜日に非常勤で訪問する施設が多くあります。

具体的な業務内容は、入居者の診察・治療、処方箋の処方、定期的な健康診断、予防接種、利用者の状態が特養内で医療的な対応できない場合は他の医療機関との連携、見取りまで行っている施設ではターミナルケアなどを行います。


介護職員・看護職員

介護職員・看護職員の人員基準は入居者3人に対して、介護職員もしくは看護職員が1人以上とされています。

基本的には専従ですが、業務に支障が出ない範囲であればケアマネージャー(介護支援専門員)や機能訓練指導員、施設長などとの兼務も可能です。

看護師はこの基準とは別に施設に1人以上、30〜50人までの施設で2人、51〜130人までの施設で最低3名以上必要と定められています。看護職員の資格要件は正看護師もしくは准看護師となっています。

特養での介護職員の業務内容は利用者が安全かつ快適に生活ができるように適切な支援とともにサポートを行うことです。

日常生活動作、つまり入浴・食事・排泄・着替えなどの身の周りの世話に加え、歩くときや車椅子で移動する時のお手伝い、寝具の調整、家族への連絡、担当者会議への参加、高齢者向けのレクリエーションの企画などが業務の中心になります。施設によっては利用者の機能訓練を行うこともあります。

看護職員の業務は利用者の健康管理を中心に行っています。具体的な内容としては、日常業務での血圧などのバイタルサインの確認、医師の指示に基づいた医療行為の実施、薬剤の服薬管理、看取りを行っている施設ではターミナルケアを行っています。


生活相談員

特別養護老人ホームの生活相談員の配置基準は入居者100人あたり1人以上と定められています。常勤である必要があり、原則としては専従ですが業務内容に支障をきたさない範囲での兼務は可能です。兼務を行う業務としてはケアマネージャー(介護支援専門員)や機能訓練指導員などが可能です。

生活相談員の業務は特養と入所希望者や実際に利用されている方との連絡を行うことになります。具体的な業務内容は、特養に入所される方や退所を希望される方に対しての手続きや説明、利用者本人や家族から生活に関する相談を受けアドバイスを行い、必要なサービスの紹介を行ったり、要望を他職種に共有したり、サービス担当者会議への出席するなどが挙げられます。


ケアマネージャー(介護支援専門員)

ケアマネージャーの特養における人員基準は入居者100人あたり1名以上と定められています。常勤で基本的には専従であることが望ましいですが、業務に支障が出ないのであれば同施設内の他の業務、例えば生活相談員や機能訓練指導員などとの兼任が可能です。

ケアマネージャーの主な仕事は利用者一人一人に適したケアプランの作成になります。特養では在宅復帰を念頭に置きつつ、施設内で快適に過ごしながら生活のできる限り自立ができるようにケアプランの作成を行います。

ケアマネージャーの他の業務として、担当者会議があります。担当者会議ではケアプランの内容を検討するため、事前にケアプランの原案を作成しておく必要があります。


機能訓練指導員

特養における機能訓練指導員の人員基準は1名以上と定められています。

機能訓練指導員には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、6ヶ月以上の実務経験を持つ鍼灸師のいずれかの資格が必要になります。

機能訓練指導員の業務内容は身体機能を向上するための機能訓練やリハビリ、日動生活動作の練習、個別機能訓練計画書の作成となっております。

利用者の身体機能や日常生活動作の能力を向上するためには、普段の生活の動作を少しずつ向上する必要があり、他職種との情報共有を中心とした他職種連携を行うことが非常に重要になります。


栄養士

特別養護老人ホームの栄養士の配置基準は1名以上となっています。ただし、入居者が40人未満の施設では他の施設の栄養士と連携し入居者への対応が十分にできていることを条件に、配置の必要がないと規定されています。

栄養士の業務内容は入居者それぞれに適した食事の提供を行うことになります。特養の入所者は高血圧や糖尿病などの生活習慣病だけでなく、脳卒中や心不全などの循環器疾患や腎臓病などの様々な疾患がある方が多くいます。

そのため、個別の栄養プランを作成する際には、入所者の現在の状況に合わせた食事を提供する必要があります。

また、利用者によっては嚥下能力が低下し、食事や飲み物を摂取する際にとろみや刻みなどの食形態を考慮しなければならないケースもあり、言語聴覚士や看護職員との連携も必要になります。


人員配置が厳しくなってしまう原因


特養を含めた介護施設には厚生労働省が設定した人員基準があります。この人員配置基準は施設によって必要人数が違い、特養における人員基準は上述の通りです。

人員配置基準は事業所における適切なサービスを提供するために必要最低限と考えられる人数として数字が決められています。

そのため、人員基準は国家資格を持つスタッフが複数人必要になる等の厳しい条件が定められています。

特養に限らず、介護業界は慢性的な人手不足によって人員基準を満たすことが難しい状況にあります。

新しく雇用するスタッフが少ない状況の中で、離職者が出てしまうなどの原因で人員基準を満たせなくなってしまうこともあるため、どう対応するのか対策を考えることが重要になります。

 

人員基準欠如減算に注意しよう


上記の人員基準を考える際に、人員基準減算欠如には必ず気をつけないといけません。

人員基準欠如減算とは、厚生労働省が定めた人員基準を満たしていなかった特養が対象になり、支払われる予定の介護報酬の3割をカットする減算のことになります。

もし、特養で勤務しているスタッフの常勤換算数が人員基準よりも下回った際に虚偽の報告を行ってしまうなどの理由が挙げられる場合は、介護保険法第七十七条に基づいて行政処分を受ける可能性もあります。

行政処分の内容としては、介護報酬の一部カットだけでなく、新規の利用者の受け入れ先としての停止処分や最も重い処分として、介護事業者指定が外されてしまうこともあります。

行政処分は非常に重い処分を受けることもあるため、人員配置基準に関しては常に注意をする必要があります。


夜勤の人員配置基準


上述で紹介した人員配置基準は日勤帯における人員基準になります。特別養護老人ホームは入居型の施設のため、夜勤帯における人員基準も定められています。以下では夜勤の人員配置基準について解説します。


従来型の場合

従来型の人員配置基準は入所者の人数によって定められています。また、夜勤職員配置加算の種類によって変わります。夜勤職員配置加算Ⅰでは利用者25人あたり介護職員もしくは看護職員が1人以上必要とされています。

夜勤職員配置加算Ⅱでは利用者40人あたり介護職員もしくは看護職員が2人以上、夜勤職員配置加算Ⅲでは加算Ⅰの要件に加え看護職員が必ず1人以上必要、夜勤職員加算Ⅳでは加算Ⅱの要件に加え看護職員が必ず1人以上必要と定められています。


ユニット型の場合

ユニット型では従来型と違い、ユニット数を基準に夜勤帯の人員基準が決まっています。1ユニットの場合は介護職員もしくは看護職員が1名以上、2ユニットの場合も1名以上、3ユニットの場合は2名以上となっています。


人員基準に困ったときの解決策

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ここまで、職種ごと、夜勤帯における人員基準について解説しました。以下では人員基準に困ったときの解決策について解説します。

 

働く環境を整える

特養における人員基準の主な障害は職員の離職や新しい職員を採用することの難しさにあります。そのため、行いやすい改善策は職員の働く環境を整えることになります。働く環境を整えることは職員の離職を防ぎ、採用率を上げることにつながります。

雇用条件を整える際に検討する内容として、賃金の向上などがありますが、特養の主な収入は介護報酬によるもののため、費用が関わると考えると人件費を上げることは難しい状況にあります。

そのため、スタッフが休む時間を確保できるよう希望休を取りやすい環境を整え、週休を3日にするなどの現実的な対策を行うことが勧められます。

 

ICT導入が業務効率化につながる

特養において業務を効率化する方法としてICTを導入することが挙げられます。特養では認知症がある利用者も多数います。そのため、24時間体制での職員による見守りが必要になります。

特に夜勤帯は人員が少なく、夜間の見守りが職員の業務負担になることがあります。ICTを使用した見守りシステムを導入することで利用者様に安全や安心を感じてもらいつつ、見守りの質を上げ業務負担を減らすことにつながります。

また、見守りシステムの導入で夜勤帯の人員基準が緩和されるため、職員の負担の軽減につながるだけでなく、人員基準をクリアしやすくなります

参考:「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」(厚生労働省)

 

見守りシステムを検討する

見守りシステムの導入には前準備が必要になります。現状にどのような課題があるのかを把握し、導入する機器を検討します。

システムの導入にはネット環境が必須になるので、ネット環境を整えます。また、具体的にどのようなデバイス、例えばスマートフォンの持ち歩き型のデバイスを使用するのか、スタッフステーションに置いてある受信機を使用するのかを検討します。

事前にしっかりと検討を行うことで見守りシステムの導入をより良いものにすることができます。

 

まとめ

本記事では特別養護老人ホームにおける厚生労働省が設定した人員配置基準から人員基準に困った際の解決策、見守りシステムの導入について解説しました。

人員基準は特養を適切するためには必要な人員とされており、特養を運営するためにはクリアしなければならない基準になります。今回の記事が皆様のお困りごとの参考にして役立てば幸いです。

 

また、弊社では現場を熟知した営業担当者が、見守りシステム導入に必要な情報をお探しの方、選び方が分からないといった悩みを解決したい方に詳しくご説明いたしますので、ぜひお問い合わせより無料でご相談ください。


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