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介護施設で目標例が思い浮かばない!個人目標設定のコツやキャリア別に具体例と立て方を紹介

作成日:2024/09/16

更新日:2024/11/18

具体的な数値で表すことが難しい介護業界の業務で個人目標を設定する時、どんなことを目標に挙げるといいのか思いつかなくて悩むことはありませんか?
この記事では介護施設の個人目標を設定するメリットや手順について、また新人や中堅・ベテランなどのキャリア別の具体的な目標の事例と近年導入が進むキャリアパス制度についてご紹介します。
目標の例が思いつかなくてお悩みの方は、個人目標を設定する必要性やキャリアアップにつながる具体的な目標の例、目標を達成するためのコツ等ぜひ参考にしてみてください。

介護施設において個人目標の設定は必要なのか?


一般的に会社や企業で個人目標を設定する場合は多いですが、なぜ介護施設でも個人目標が必要なのでしょうか?
個人目標を設定する理由には、自己評価や客観的な評価を元に昇給や昇進を決めている施設や企業が多いことが挙げられます。
 
とはいえ、介護職は営業職とは違い高齢者の支援など業務内容の評価を数値化することがなかなか難しいです。
そのため介護施設では個人目標がないと、数値で表すことができない要素(定性的な要素)を判断する基準が不明確になり、担当者の主観に左右されてしまうというリスクがあります。
 
介護職の個人の頑張りを正しく公平に評価するためにも個人目標は重要であり、さらに個別で目標を設定することで得られるメリットもあります。
 

介護職員が個人の目標を設定するメリットは?

介護職員が個人目標を設定することで、スキルアップの効率化やキャリアプランの明確化、モチベーションの向上が可能となる3つのメリットが得られます。
この個人目標を設定するメリットは、新人であってもベテランであっても同じように役に立つので以下にこの3つのメリットについて詳しく解説していきます。
 

スキルアップの効率化

 
介護職員として個人目標を設定することで、効率的にスキルアップが可能となります。
なぜなら個人目標を設定する上で、現在の自分の課題やさらに高める必要があるスキルなどが明確になり、今後自分に必要なことが具体的に言語化し実践できるからです。
 
自分の目指すべき姿が明確であれば、自主的にやるべきことに向けて努力をすることにつながります。
 

キャリアプランの明確化

 
個人目標を設定することで、数年後の理想のキャリアプランを明確にすることもできます。
理想のキャリアに向けて半年や1年など期間ごとに細かい目標を設定し、それぞれを達成していくことで確実にステップアップが可能です。
 
また細かく設定した目標を達成していくことで、日々に達成感や自己成長を感じることができ、仕事に対するやりがいも増すでしょう。
 

モチベーションの向上が可能

 
介護職員が個人目標を設定すると、仕事へのモチベーションの向上にも繋がります。
介護の仕事に慣れ、漠然と仕事にあたっているとモチベーションの低下を招いてしまいます。
 
そのようなときに自分で作成した目標の進捗状況や達成度を確認し、自分の成長を振り返ることでモチベーションの向上へ繋げることが可能です。
明確なゴールがある方がモチベーションは保たれやすく、介護職としての質の高いサービスの提供を続けることができます。
 
 

介護施設の職員が個人目標を立てる手順とポイント!


ここでは介護施設の職員が個人目標を立てる時の手順や考え方のポイントについて解説していきます。
 

業務上の課題を挙げる

 
介護職の個人目標を立てるためには、まず業務上の課題を洗い出していくことが大切です。
日頃の業務の中で感じた疑問や改善すべき課題は、自分が苦手とする仕事や失敗して困った体験などからも見つけることができます。
 
また周囲で活躍しているスタッフと比較して、自分の業務の中で改善した方がいい課題を見つける方法もあります。
課題を挙げる過程で自分の強みを見つけた場合はその強みをさらに高める目標を設定し、反対に自分の弱みを見つけた場合は克服するための目標を立てるとよいでしょう。
 
例①:認知症の方とのコミュニケーションが苦手な場合は、認知症ケアについて勉強し安心してもらえるコミュニケーションスキルを磨く、など。
 
例②:人に教えることが好きな人は、後輩の育成や指導スキルの更なる向上を目指す、など。
 

自分の理想とする姿を具体的に想像する

 
また個人目標を設定する際には、自分が介護職員としてどのようになりたいのか理想の姿を具体的に想像して言語化することも大切です。
この理想の姿は今の自分と比較する必要はなく、最終的な目標となる理想像をイメージすると目標設定がしやすいです。
 
また理想像をイメージするのが難しければ、実際に周囲にいる理想的な先輩の介護職員を参考にすることもよいでしょう。
自分を理想像に近づけるためには利用者様やそのご家族様からのフィードバックを受け取ることも重要です。
 
しっかりとコミュニケーションをとり、そのフィードバックを目標の設定に反映させていきましょう。
 

課題の解決や理想への達成方法を検討する

 
具体的な課題やなりたい理想像を挙げたら、次にその理想への達成方法を考えていきます。
理想の自分になるためには現状で何が足りないのか、どう補えばいいのか、など考えたり書き出したりする作業を行うことで何に力を入れていけばいいのか達成までのプロセスが明確になります
 
先に紙に書き出して可視化することで思考の整理に役立ち、課題の解決策が明確になっていきます。ここで目標を達成するための具体的な行動を考えていきましょう。
 

目標を達成するための具体的な期間を設定する

 
目標達成への行動が決まったら、次にその目標を達成するための期間を設定することが重要です。
目標達成に期限を設けないと途中でモチベーションが下がってしまったり、いつまでも達成できないままになってしまったりする可能性があります。
 
特に介護関連資格の合格を目指す場合は、試験日から逆算して「いつまでに何をするのか」と考えると具体的なスケジュールを組むことができ試験の対策に役立ちます。
 
施設によって評価期間はそれぞれありますが、あまり長期になりすぎず目標達成までの期間の目安は3ヶ月~1年くらいで設定するといいでしょう。
 

期間に合わせて達成が可能なレベルの目標を設定する

 
最初から大きな目標を設定するのではなく現実的に達成可能なレベルの目標を設定することが重要です。
小さな目標をクリアすることで、毎日の業務に自信が持てたりやりがいを感じたりすることができます。
 
また少しでも目標を達成するという成功体験を積み重ねていくことで、着実に自然とスキルアップができていきます。
特に新人の場合は小さな目標から設定することが仕事のモチベーションを維持するためにも大切なので、意識して実施していきましょう。
 

失敗しないための目標設定をする時の注意点

 
目標設定をする時に失敗しないためには、高すぎる目標や低すぎる目標にしないことが大切です。
目標が高すぎると、評価で振り返るたびにゴールに到達できていないことで自信を失ったりモチベーションが下がったりと精神的にも苦しくなってしまうケースもあります。
 
反対に目標が低すぎると、努力をしなくても簡単に達成できてしまい成長するきっかけを失うというデメリットがあります。
 
個人で目標設定が難しい場合は、上司や先輩に相談してみることも良い取り組みです。
特に管理者の視点からのアドアイスは一般職員では気づけないものもあり、新しい気付きを得られることがあります。
 
また、管理者や組織が一方的に個人の目標を設定することがないようにしましょう。
本人が意図しない目標は反対にモチベーションの低下を招く原因となり、業務上のサービス向上とはならない場合があり注意が必要な点です。

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介護職員の個人目標の評価シートの書き方のコツ


ここではさらに介護職員の個人目標の評価シートを書く時の内容について詳しく解説していきます。
 

自分の理想像を明確にしておく


自分の将来なりたいと思う理想像を明確にしておきましょう。自分の目標とする理想像が抽象的で曖昧な場合、何を努力すればいいのかはっきりとしません。
理想像を明確にして言語化しておくことで、より実現しやすく具体的な解決方法が見つかります。
 
例えば、コミュニケーションスキルをアップさせたいという目標よりも「先輩のようにいつでも笑顔でどんな利用者様に対しても親切丁寧に接するようになりたい」という風に具体的に考えると意識して改善することができます
 

行動目標を明確にしておく

 
習得したい技術やスキルなどがある場合は、行動目標を明確にしておきましょう。
介護技術を向上させたいという目標ももちろん大切ですが、自分が苦手と感じている介護技術をさらに深堀りしていくことが重要です。
 
例えば介護技術の中でも特に移乗介助が苦手な場合は、移乗介助を学べるセミナーや研修会への参加や先輩スタッフから教えてもらうなど具体的な行動が考えられるようになります。
 

取得を目指している資格を明確にしておく

 
介護現場では様々な資格が役に立ちます。
介護職を通じて資格取得を目指しているなら希望する資格を明確にしておきましょう。

<介護現場に役立つ介護関連の資格の例>
●      介護職員初任者研修
●      介護福祉士実務者研修
●      介護福祉士
●      ケアマネジャー
●      認定介護福祉士
●      福祉用具専門相談員
●      レクリエーション介護士
 
上記のように介護関係の資格は様々な種類の資格がありますが、闇雲に資格を取っても実際に使えないと意味がありません。
 
時間を無駄にしないためにも、周囲の先輩にアドバイスを受けたり各資格の特徴などの情報収集をしたりして計画的に資格の取得を目指しましょう。
 

介護職員の個人目標の具体例:勤続年数別に紹介!


介護職員の個人目標はそれぞれ勤務している年数によって大きく内容が異なります。ここでは介護職員のキャリア別に個人目標の具体例をご紹介していきます。
 

3年目:新人介護職員の具体例

 
新人や若手である1年目から3年目くらいの介護職員は、まずは仕事に慣れることや覚えること、基本的なビジネスマナー、介護技術・知識の習得や理解、安全な業務の遂行などが重要です。
始めから高い目標を設定するのではなく、達成できるレベルの目標を設定しステップアップを目指しましょう。
 
<介護業務に関する目標の例文>
●      3ヵ月以内に利用者様の顔や名前を覚えると共に、家族構成や持病など必要なことを把握する
●      電子カルテの使用法や入力法を覚えて正確でスムーズに記録ができるようにする
●      半年以内に排泄介助、食事介助、入浴介助、移乗介助など介助の基礎が一人でできるようにする
●      1日一度以上は自分から利用者様に声をかけてコミュニケーションをとる
●      問題が起こった時に冷静に状況を観察し、すみやかに上司に報告・連絡・相談を行う
 
<新人介護職員が目標にする資格や研修の例>
●      介護未経験の場合はまずは「介護職員初任者研修」の取得がおすすめです。
●      将来的に介護福祉士を目指すなら「介護福祉士実務者研修」を取得しておきましょう。
●      国家資格の取得を目指すなら3年以上の実務経験と実務者研修の修了を目指し「介護福祉士」の取得を計画しておきしましょう。
 

4~9年目:中堅介護職員の具体例

 
4年から9年目の中堅になった介護職員は介護業務やビジネスマナーも一通りでき、動き方が新人とは異なります。
そのため新人や若手よりもさらに視野を広げ介護施設全体の体制や利用者様とのさらに深い関わりに注目して個人目標を立てることが必要です。
また個人的なスキルアップを目指すだけでなく、チームのリーダー業務や後輩の育成・指導・サポートなどにも取り組む場面が増えてきます。
 
<介護業務に関する目標の例文>
●      3ヵ月以内に利用者様の状態やADL、趣味嗜好を把握し、その方に応じた丁寧なケアを行う
●      関係する他の専門職とも積極的に連携をとり、スムーズな介護業務を行う
●      有事の際でも冷静に判断し、後輩への指示や上司への報告など適切な対応を行う
●      利用者様のご家族様からの質問や要望、思いなどを聞き適切に対応できるようにする
 
<中堅の介護職員が目標にする資格や研修の例>
●      実務経験もしっかりと積んでいる中堅の介護職員は「介護福祉士」の取得に挑戦するのがおすすめです。
●      また「介護支援専門員(ケアマネジャー)」の資格も該当資格や生活相談員における5年以上の実務経験があれば受験できるので取得を目指してみましょう。
●      介護職を通じてスタッフや利用者様とのコミュニケーション能力が長けている場合は「サービス提供責任者」もステップアップにおすすめです。
●      さらに高齢者の介護だけでなく障がい者や生活困窮者を支援する「社会福祉士」の取得で転職する道もあります。
 


10年以上:ベテラン介護職員の具体例

 
10年以上のベテランの介護職員になると役職に就くことも多く、中堅介護職員以上の管理能力が求められます。
業務全体の流れ以外にも、介護施設全体の環境作りや後輩・部下、管理職候補などの人材育成など幅広い役割を担います。
 
またベテランの介護職員となると将来的に施設長や所長などの管理者や責任者の運営の側になる場合もあるので、管理職を目指している人は積極的に目標に盛り込みましょう。
管理職を目指す場合は、経営に関する知識や事業のマネジメントスキルなどの取得を目標に盛り込むことがおすすめです。
 
さらに介護業務の効率化に向けICTの積極的な導入と利用についても押さえておきたい年数でもあります。
 
<介護業務に関する目標の例文>
●      半年以内にヒヤリハットやアクシデント報告の分析を行い、事故の件数を50%削減する
●      事業所の経営状況を把握し、具体的な経費の削減案を提案する
●      1年に2回以上は外部で開催する研修を受ける
●      ICT機器やソフトウェアの効果的な利用とスタッフへの教育を行う
 
<ベテラン介護職員が目標にする資格や研修の例>
●      介護福祉士の上位資格である「認定介護福祉士」を取得する。
●      ケアマネジャーの上位資格である「主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)を取得する。
●      さらに外部で開催されている研修に積極的に参加し、常に最新の情報を得たり視野を広げたりする機会を作り、業務改善の目標に取り入れるといいでしょう。
 

介護職員の個人目標を設定した後はどうするの?


このようにそれぞれのキャリア別に個人目標を設定していきますが、目標設定をした後はどのように運用するといいのでしょうか?
 

定期的に目標が達成されているか評価する

 
まず目標を設定した後は、定期的に個人目標を見直しチェックすることが大切です。
目標を設定するだけではなくある一定の期間で見直し、自身の反省や今後の新しい課題などを見つけることに役立てていきます。
 
また評価する際には自分だけでは気づかない面もあるため、周囲のスタッフに相談してみることも重要です。
 

目標を達成することをノルマにしないよう注意する

 
目標を設定した後、その目標を達成するために行動することは大切ですが、達成することがノルマになってしまうのは危険です。
目標達成の目的は、あくまでも自分のスキルアップや利用者様への介護サービスの質の向上のためであり、ノルマを達成するために立てるわけではありません。

評価時に目標が未達成の結果であっても厳しく対処するのではなく、達成するための方法を考えることが重要です。
 

介護施設におけるキャリアパス制度とは?

ここまで介護施設での個人目標の立て方について具体例も含めてご紹介してきました。
近年では介護業界の人手不足を解消する目的で厚生労働省がキャリアパス制度の導入を推進しています。
 
このキャリアパス制度を個人目標にからめることも有効なので、キャリアパス制度についてもご紹介していきます。

キャリアパス制度とは昇進の基準や条件をキャリア段階別に明確に定める仕組みの制度で、従業員にとっては自分がどこの段階にいるのか確認でき、目指す道ややるべきことがはっきりします。
これまで評価基準が曖昧で離職する人も多かった介護業界ですが、キャリアパス制度の導入によって将来の展望が可能となり介護職員の処遇も改善し介護の人材を定着させることが期待されています。
キャリアパス制度を導入している事業所の場合は、自分の職場の昇進や昇給の要件を確認して個人目標に積極的に取り入れてみてください。
 

まとめ

この記事では介護施設の個人目標を設定する必要性やメリット、手順とキャリア別の具体的な目標例、キャリアパス制度についてご紹介しました。
介護施設での個人目標を設定する理由には昇給や昇進などの際、それぞれの働きに対して誰が評価しても公平にするために重要です。
 
また介護職員の一人ひとりが個人目標を設定することで、働く中でスキルアップの効率化やキャリアプランの明確化、モチベーションの向上が可能となるメリットがあります。
個人目標を設定する手順としてまずは業務上の課題を徹底的に挙げることから始まり、自分の理想像を具体的に想像したり達成方法を検討したりすることが重要です。
 
そして目標達成のためには具体的な時期と達成可能なレベルの目標設定を行い、高すぎたり低すぎたりしないように注意する必要があります。
記事内では新人や中堅、ベテラン向けに具体的な目標の例を挙げており、それぞれの勤続年数に応じて目標を設定することが大切です。
離職率の低下を防ぐためにキャリアパス制度を導入している事業所では、自分の職場の昇進や昇給要件や方針を確認しながら目標に取り入れることもモチベーションが維持できるため有効です。

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