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介護施設のシフト例を解説!作成時のポイントと具体例も

作成日:2024/03/11

更新日:2024/04/09

 

介護施設におけるシフト勤務とは?




介護職のシフト勤務は、一定期間ごとに作成される勤務表などで、介護者の働く時間帯や日にちが決まる勤務形態です。介護職におけるシフトは施設や事業所によってさまざまなタイプに分かれています。本記事では介護施設・介護福祉施設におけるシフトの例を挙げながらわかりやすく解説し、シフト作成に関するお役立ち情報を紹介します。
 

勤務時間やシフトの組み方は施設によって異なる

介護職のシフトを考える際に、施設によっての違いを理解する必要があります。一口に介護施設といっても様々な種類があります。
介護施設を就業時間で大きく分けると、通所やヘルパーステーション・訪問介護などの日勤帯のみの施設(以下日勤施設)と特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの日勤帯および夜勤帯での勤務が必要な施設(以下全日施設)の2つに分類することができます。
それぞれの施設における介護職のシフトについて例を挙げながら解説します。
 

2交代制と3交代制のシフト勤務

まず最も多い2交代制と3交代制のシフト勤務について解説します。日勤施設におけるシフトは繁忙時間に介護職を多く調整することを考慮して作成します。

2交代制では早出と遅出、3交代制では早出・日勤・遅出に分けることが一般的です。デイサービスなどの通所サービスやヘルパーステーションなどの日勤施設では、利用者が少ない朝と夕方の時間に介護職の配置を減らすことで、最も利用者が多い日中に介護職を多く配置することができます。

このように繁忙時間によって人員配置を変更できることが、日勤施設におけるシフト制の最大のメリットと言えます。
また、職員によっては早出・遅出を行うことでライフワークバランスを整えることができ、介護職の負担軽減につながります。下記に実際の介護職のシフトの例を一覧に挙げます。
 
例1)
2交代制の日勤施設 
早出(早番): 8:00~17:00(休憩1時間) 
遅出(遅番):9:00~18:00(休憩1時間)
 
例2)
3交代制の日勤施設 
早出(早番):7:00~16:00(休憩1時間) 
日勤:8:30~17:30(休憩1時間) 
遅出(遅番):9:00~18:00(休憩1時間)
 
全日施設は、2交代においては日勤帯と夜勤帯に介護職のシフトを分け、3交代では早出・遅出・夜勤に勤務時間を分けるシフトになります。

2交代制は夜勤帯の勤務時間が非常に長くなってしまう分、夜勤帯での勤務を終えた日は明け休み、さらに翌日は基本的に休みとなります(施設によっては明けの翌日に夜勤になることもあります)。そのため、介護職が週休3日で勤務が可能なシフトです。施設の管理者の立場からは、シフトを組む際に必要な人員が3交代制よりも少なくて済むことがメリットとなります。

3交代制は全日を3つの時間帯に区切り、それぞれ同じ時間働くシフトになります。3交代制では全てのシフトで勤務時間が同じなため、シフト上での不公平感が少なくなりやすいことがメリットとなります。
また、勤務時間が全ての勤務で同じため、介護職の1日当たりの負担を減らすこともできます。下記に具体的な介護職のシフト例を記載します。
 
例3)
2交代制の全日施設 
日勤:8:00~17:00(休憩1時間) 
夜勤:16:00~翌10:00(16時間勤務で休憩2時間)
 
例4)
3交代制の全日施設 
早出(早番):6:00~15:00(休憩1時間) 
遅出(遅番):14:00~23:00(休憩1時間) 
夜勤:22:00~翌7:00(休憩1時間)
 

職種によってシフトは変わる?

介護職には様々な職種があり、ケアマネジャーやサービス提供責任者、また介護福祉士などの資格を持っているかなども含まれます。
シフトについては先ほどご説明したとおり、介護施設における運営形態や運営時間が影響することが多いですが、職種によってある程度のシフトが定まることもあります
 
例えば、ケアマネジャーやサービス提供責任者であれば、ご家族からの連絡や面談に対応する必要があるので、基本的には土日を含め9:00~18:00などの日中帯であることが多いでしょう。
ただ、期日までに資料を作成したり、相談業務の為に日勤帯以外でも業務が残ってしまったりするということは起こりうるため、不規則であるといえます。

また、介護福祉士などの資格を持っていても介護職員として働いている場合は、利用者の活動に合わせて介助を行ったりすることがほとんどですので、この場合は大きくシフトに偏りが出ることはないでしょう。
施設によっては、医療介護職として働いている看護師などの夜勤専従の求人がでている場合もあり、職種によるシフトが変わる例になります。
 

【介護職員目線】シフトを確認するときのポイント




ここまでは介護施設におけるシフト勤務について解説しました。次に介護職員がシフトを確認するときにチェックが必要なポイントについて解説します。
 
まず、ルールを無視したシフトになっていないかのチェックを行いましょう。よくありがちな問題は、夜勤の日数が規定日数よりも多くなっていること、休日の日数が規定日数に到達していないことなどがあります。
 
2交代制や3交代制であれば、月に4-6回が平均的な回数です。労働基準法において、最終打刻時間から24時間以上空けないと働いてはいけないというような制限はないですが、36協定で定められている上限(月45時間の時間外労働)を超えていないかはチェックが必要です。

連続で夜勤入りとなることは介護現場ではよくありますが、労働基準法には違反にはなっていないようです。(夜勤明けの日勤、日勤明けの夜勤もあり得ます。)
職場によってシフト勤務の予定表が出る時期に違いがありますが、問題に気がついたらすぐに管理者に報告を行うようにしましょう。
 
対応する必要のある勤務日までにシフトを交代するなどの対策を行えないと当日急に勤務ができないなどの事態に陥ってしまうことがあるので、気付いた段階で勤務表の修正を行うよう依頼しましょう。
 

【忙しい管理者必見!】シフト作成のコツをご紹介




特に重要なポイントは①勤務時間は考慮されているか、②不公平なシフトが組まれていないか、③夜勤シフトに入る際の注意点の確認を行う、の3点になります。それぞれの項目について解説します。
 
ここからはシフトを作成し管理する際のポイントについて解説します。

希望休をなるべく早めに確認する

シフト表を作成する際は、希望休を出せる期限を作っておくことが重要になります。
ある程度の型をベースに作っているとはいえ、シフト表を作成中に希望休を伝えられてしまうと、途中まで作成したシフト表の作り直しをしなければならなくなってしまうからです。
 
期限が月によって変更になってしまうと、介護職の希望休の出し忘れなどにも繋がりかねないため、毎月10日までにもらうといった決まりを組んでおいたり、方針を先に作っておいたりすると、管理者もスタッフも分かりやすくシフトを決めやすくなります。
 
また、非常勤(パート)などで勤務をされている介護職の方は、配偶者の扶養内で勤務を行なっている方もいます。そのような方は月々の勤務時間を計算して、扶養内に収められるように調整しなければいけません。

なるべく公平なシフトを組むように意識する

介護職のシフトは不定休なので、気をつけていないと特定の人に連休や連勤が続くような勤務表になってしまいがちです。
このようなシフト表を作成してしまうと、職員同士でのトラブルの元になってしまい、職場環境の悪化を招いてしまいます。
また、希望休や事前申請した際の有給休暇などが人によって希望の通りやすさに差が出てしまうと、人間関係の悪化や離職などの原因になってしまうこともあります。
 
特に、控えめな方や自己主張があまり強くない方はなかなかシフトに関する不満を指摘できず、ストレスを溜めてしまうことがあります。そのため、管理者はできる限り平等に従業員が満足のできるシフトを組む必要があります。
希望休だけでなく、出勤しているメンバーのバランスにも注意が必要です。シフトの休みに偏りがなく出勤人数が確保されていても、ベテランの介護職と新人の介護職のスタッフのバランスを考えてシフト表を作成する必要があります。
 
忙しい日などは特にベテランスタッフを中心に負担が行きがちになるため、難しい点もありますが可能な限り出勤しているメンバーの能力が偏りすぎないように配慮しましょう。
 

夜勤シフト体制についての注意点

夜勤シフトを入れる際の注意点としては、時間外労働の上限として月45時間以内になっているかを確認するようにしましょう。
 
また、夜勤に入る際に夜勤帯が日勤帯と比較し出勤人数が少なくなりがちという点に注意しましょう。
夜には夕食や食事後の利用者様への部屋への送迎、歯磨きなどの口腔ケアなど介護職が関わらなければならない業務が多数あります。
また、「夜間せん妄」といって、日中落ち着かれていた方が夜に徘徊や不安になってしまう症状が出たりしてしまうことがあります。
このように、夜勤帯の勤務には日勤帯とは少し違う忙しさがあるため、シフト表を作成する際はスタッフの能力を考慮してバランスよく配置することが大切になります。
 

シフト作成ツールを利用して効率化する

近年では、シフト作成ツールが開発されており、自動でシフトを作成することができます。シフト作成ツールは事前に設定した条件、例えば勤務条件や希望の時間帯などを事前に登録することで、登録情報をもとに自動的にシフトを作成してくれます。
スマートフォンなどを使用し、作成できるクラウドのソフトなども開発されており、管理者の働き方に合わせてシフト表を作成することができます。
また、ツールなどは管理者専用のアカウントが用意されていることがほとんどで、クラウドに情報を上げているため個人情報保護という点で他人から閲覧されるといったことを避けることも可能です。
 
以上の点から、管理者がシフト作成を行う際の手間を省いて勤務表を作成することができるシフト作成ツールをおすすめします。
シフト作成に時間がかかって、管理者として自分の業務時間が確保できない、限られた業務時間(8時間)の中で効率化したいと悩みがある場合はツールを探すことも検討してみてはいかがでしょうか。
 

介護士が週休3日の時のシフト例



 
近年では、政府も介護人材の確保という課題を背景に、働く時間の見直しや週休3日制の導入を検討しています。
※参考:令和3年度に実施する新たな介護人材確保対策事業について
 
 
ここでは、具体的に介護士が週休3日でのシフト例をご紹介します。
このような勤務では明けと休みが増え、月13日の休み、つまり週休3日以上のシフト表を組むことになります。

今回、2交代制や変則3交代制(夜勤は16時間勤務で日勤が遅出と早出に分かれるような勤務形態)の勤務として、介護士が週休3日の場合のシフト例を以下に記載します。
 

※日:日勤、夜:夜勤、明:夜勤明け(休み)、休:公休と記載
 
月全体の休みを通常9日程度から週休3日とすると、

・年間休日の増加
・残業削減
・仕事に対するモチベーションアップ
・求人情報の掲載アピール

など様々なメリットが挙げられます。
特に、ライフワークバランスが重要視されている現状においては、人気求人として注目される可能性もありえます。
 
さらに、夜勤の労働時間も同じにすることも可能になります。
例えばですが、週休3日制として以下のような勤務体制をとることができます。
 
早番:7:30〜18:30 (10時間労働、休憩1時間)
遅番:11:00〜22:00(10時間労働、休憩1時間)
夜勤:21:30〜8:30 (10時間労働、休憩1時間)
 
一般的な夜勤の業務だと16時間勤務の事業所が多い中、勤務時間が減ることによって心理的なハードルや身体的な負担も大幅に減るでしょう。また、夜勤と日勤で勤務時間に差が無いため、公平さがでるという特徴があります。
 
ただ、同時に各勤務形態における業務負担や一人一人の業務量が増えるというデメリットもあります。
一か月の総労働時間が減る分、例えば週休2日で40時間の稼働を補うべく、週休3日制だと一日の労働時間が10時間と増加します。今まで8時間勤務が当たり前だった方にとっては、慣れるまでに何かと苦労するかもしれません。
 
今後は、介護業界としての魅力を発信し、働きやすい環境を構築していく動きはどんどん広がっていくでしょう。導入する際は、いままであった手当に対する補填や、業務上でスムーズな流れをとれる体制をしっかりとスタッフに説明することも大切です。
 
施設運営の他のことに手を取られ、担当であるシフト作成を具体的に相談したいけれどなかなかできないという方に、ご参考いただければと思います。  
 

介護現場の実情と今後の介護業界の展望

ここで介護現場と介護業界の実情について、簡単に説明します。まず、最も大きな問題としては人員不足が指摘されています。
2024年現在、日本は超高齢化社会を迎えており、高齢者が増えることで要介護者も増えることが予測されています。
 
また、2025年には団塊の世代が75歳を迎える年になっており、今後ますます支援や介護を必要とする方が増えると言われています。
しかし、介護職の必要な数は厚生労働省が目指している数字より20万人少ないとされており、介護現場における人手不足は慢性的に続いている状況です。
 
2040年にはさらに高齢化が進み、介護職がさらに必要になるとされています。現状でも介護現場は人手不足の状態であり、2040年にはより介護施設での人手不足になることが推測されています。
このような人手不足を解消する方法としては、外国人の採用やICTの導入などが挙げられます。外国人労働者の介護職採用はハードルが高いですが、特定技能などの実習制度を使用すれば国からの補助金を受けながら介護職を採用することが可能です。
 
そして、ICTの導入は、介護施設で働いている介護職の業務効率化を図るための取り組みになります。
例えば、従来から使用されている離床センサーなどは利用者様の寝返りや立ち上がりなどのベッド上での動きに反応して通知してくれます。
近年では転倒による事故予防を促進するAIによる離床予測機能などが付いたセンサーもあり、介護職員の2時間に1回の巡視業務を画面上での離床状況確認で置き換えることで負担を減らすことができます。

利用者様の動作や健康状態を把握することができ、不必要な動作を減らすことで介護職の負担を減らし、結果として人員不足の解消やコア業務に集中し質の高いサービスの提供に繋げることができます。
 
また、従来であれば手書きで行なっていた記録業務もICTを導入することで効率化および後からの振り返りなどが行いやすくなり、介護職の事務作業における業務負担を減らすことに役立つでしょう。
人手不足が全てICTのみで解決するわけではありませんが、導入することで現場の負担を減らし、サービスの質の向上を期待できるため、今後ますます導入が求められるでしょう。
 

シフト勤務の介護職は心身の健康が一番大事

 


介護職は心身にかかる負担も大きく、健康に気をつけながら働く必要がある業種です。少しでも介護職の負担を減らす方法を解説します。
 

ICTを導入して根本原因の解決を

介護職の心身に関わる問題として、最も多く挙げられることは腰痛とされています。高齢者の身体介護を行う際は腰を曲げかがんだ姿勢でケアをすることが多く、腰への負担が大きくかかってしまいます。
また、業務内容が重労働なため、介護職のシフト表の組み方に偏りが出てしまうと職場での人間関係が悪化してしまう可能性もあります。
 
近年、ICTでは介護分野における様々な技術が開発されています。上述の見守りシステムや記録のICT化はもちろん、介護ロボットや介護者の腰の負担を減らすためのロボットスーツも開発されています。
また、シフト表の作成ツールも開発されており、導入することで条件に沿ったシフト表を作成することができるため、管理者の負担を減らしながら不公平性の少ないシフト表の作成が可能です。

このように、ICTを活用することで介護職の負担を減らすことができ、介護現場における問題の根本原因の解決を行うことができます。
 

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。本記事では介護現場でのシフト表について例を挙げ、介護現場の問題点について解説いたしました。
今後、皆さんがシフト表を作成する際や、介護現場の問題点の改善を考える際に少しでも役に立てば幸いです。
 
また見守りシステムなどのICT機器を使用する際には、個々の施設で利用者の状況や運営上施設のご事情も様々おありのことと思います。
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