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【事例紹介あり】介護福祉施設の業務効率化術3選

作成日:2022/09/23

更新日:2024/10/23

【事例紹介あり】介護福祉施設の業務効率化術3選


介護業界は人材不足が続いているため、人員の不足分を業務の効率化でカバーしようとされている介護福祉施設もあるでしょう。介護職の人材不足は、事業継続に影響を及ぼすほどの深刻な状況に陥ることもあります。特に訪問介護では、5社に4社の事業者が人材不足と感じているとの声もあります。

そのような事態に陥る前に、現場の介護士が困っている業務を効率化して人材流出や人材確保の対策をしましょう。今回は、介護職の労働環境を改善しながら人材確保にも役立つ業務効率化術を紹介します。

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人材確保に役立つ業務効率化とは

人材確保に役立つ業務効率化とは、介護職の悩みを解決したり、きついと感じる業務を改善したりできる対策方法のことです。具体的には、「見守りシステム」「介護ロボット」「ICT」などの導入があります。
 
業務効率化をしながら介護職の労働環境を改善することは、離職防止に役立つだけではなく、人材募集をする際の強みにもなります。例えば、「見守りシステム導入で夜勤の負担を減らしています」「介護ロボットで腰痛予防に積極的に取り組んでいます」などと求人欄に記載することができます。具体的なアピールポイントがあるのは、求職者にとっても魅力に感じるはずです。

しかし、業務効率化を推進する際に注意するべき点は、対象とする業務が本当に介護職が悩んでいるものかどうかです。ここを間違えてしまうと、対策をしても期待していた効果がでないことになります。

介護職の悩みとは

効果的な業務改善をするためには、まず介護職の悩みを知ることが大切です。公共財団法人 介護労働安定センターが2022年に調査した結果によると、介護職の悩みのランキングは以下のとおりです。

介護職の悩みの1位は、多くの介護施設で問題となっている人手不足で、施設の運営側だけではなく現場で働く介護スタッフにとっても大きな悩みとなっています。さらに人手不足が影響しているとみられる、「有給休暇が取り難い」「休憩が取り難い」といった悩みを含めると人材確保がいかに重要な問題かがわかります。
 
上記のランキングのなかで、施設側で対策しやすい悩みは「身体的負担が大きい」「休憩が取り難い」「精神的にきつい」の3つです。それでは、どのような場面で介護職が悩んでいるのか、それぞれ具体例を紹介します。

移乗介助の回数が多く腰への負担が大きい

移乗はベッドと車椅子を乗り降りの度に必要となるため、回数も多く、介護職の足・腰に負担がかかりやすい介助の1つです。とくに体格の良い利用者さまや全介助の利用者さまのように介護量の多い場合は、介護者にかかる負担も大きなものになります。
 
ほかにも、介護職は排泄介助・入浴介助・移乗介助などにおいて、中腰の姿勢で業務をしなければならないこともしばしばです。そのため、介護職は腰痛に悩まされることも珍しくありません。このように、「身体的負担が大きい」ことは、離職や、介護の仕事がきついというイメージにつながり求職者から敬遠される理由でもあります。
 

夜勤の業務が多く休憩をなかなか取れない

夜勤は日中の職員数よりも少ない人数で利用者さまの介助に対応しなければなりません。排泄介助や体位変換などの業務に加えて、定期的な巡視が必要になるなど、多くの業務をこなさなければならず時間が押してしまい「休憩が取り難い」こともあります。
 
夜勤時の休憩は仮眠時間でもあるため、休憩が十分に取れないと眠い状態で朝まで業務をこなさなければなりません。そのような状態では、集中力が低下してしまいミスの要因にもなります。
 

すぐに他の職員にフォローしてもらえない

利用者さまの排泄介助や移乗介助など、多くの場面で介護職は一人で対応しています。しかし、介護拒否が急に強くなるなど、一人で対応するのが難しくなる場合もあるでしょう。そのようなときは他の職員を呼んでフォローをお願いしますが、手の空いている職員を探すのに苦労することがあります。すぐに他の職員にフォローしてもらえないと、一人で対応する時間が増えるため「精神的にきつい」と感じてしまいます。

3つの悩みに対する介護福祉施設の業務効率化術


上記で紹介した「身体的負担が大きい」「休憩が取り難い」「精神的にきつい」という悩みは、施設側の対策により改善できます。以下、3つの悩みに対する業務効率化術を紹介します。
 

福祉用具の導入

1つ目の「身体的負担が大きい」に対する業務効率化術は、福祉用具を導入することです。移乗介助により身体への負担が大きいと感じるのであれば、移乗用リフトやパワースーツなどを導入すると良いでしょう。移乗用具は使い方を理解することで、初心者でも身体への負担を抑えた介助ができます。未経験の求職者を受け入れる際に、アピールポイントになるはずです。
 
介助者が持ち上げない介助方法はノーリフトケアと呼ばれ、ケアの質が向上し褥瘡や拘縮予防につながることがわかっています。ノーリフトケアで必須ともいえる移乗用リフトは、介護量を不用意に増やさないため、長い目でみれば業務効率化にも役立つはずです。
 

見守りシステムの導入

夜勤で休憩が取り難い理由は、夜勤の業務が多すぎることにあります。そこで、おすすめの対策方法は「見守りシステム」を導入することです。
 
見守りシステムはバイタルセンサーとシステムを連携させることで、モニターを通して利用者さまの脈拍などを確認できます。巡視の回数を大幅に削減するのに役立つため、時間にゆとりができて休憩をしっかりと取れるはずです。十分な休息を取ることができれば、肉体的・精神的な負担軽減も期待できます。一石二鳥の波及効果があるのも見守りシステムの魅力です。
 

インカムの導入

介護職が困ったときにすぐにフォローできる体制を整えるためには、インカムの導入がおすすめです。インカムがあれば困っている介護職は一回の発信で複数人に状況を伝えられるため、手の空いている介護職がすぐにフォローに駆けつけてくれるでしょう。
 
いつでもフォローがきてくれる環境は、介護職の「一人でなんとかしなくては」という精神的なプレッシャーを緩和してくれます。また、インカムは一回の発信で複数の介護職とやりとりできるため、意思疎通に要していた時間の削減につながり業務効率化にも役立ちます。
 

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介護職の悩みを起点に業務改善をしよう

介護福祉施設の業務効率化のポイントは、介護職の困りごとが解決できるかです。
 
介護職の悩みに寄り添った業務改善をすることで、業務効率化・離職予防・人材確保に良い影響がでるためです。本コラムで紹介した業務効率化術は「福祉用具」「見守りシステム」「インカム」の導入で、それぞれ業務効率アップだけではなく介護職の負担軽減に役立つツールになります。人材確保の一環として導入を検討していただけると幸いです。
 
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