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介護現場におけるアセスメントとは?アセスメントシートの書き方をポイントと例を交えて詳しく解説!

作成日:2024/08/26

更新日:2024/10/23

介護現場で業務をしている時、利用者の状況の変化があることに気づきませんか。そんな時、記録に残すことはあると思いますが、実際にアセスメントをしていく必要性があります。
ですが、実際にアセスメントを行い、アセスメントシートの書き方を理解できている人はいるでしょうか。
アセスメントシートに書き込むべきこと、書き込むことで多職種も理解しやすいことなど、様々なことがあります。この記事では、アセスメントシートの書き方を具体例を交えて詳しく解説します。

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介護におけるアセスメントとは?


介護におけるアセスメントとは、介護サービスの利用者を支援する為に必要な内容や、サービスを受けることになった背景や理由などの情報をまとめたものです。
また利用者のケアプランを作成するために、ケアマネジャーが利用者本人や家族に対して、アセスメントを行う際に作成する書類をアセスメントシートと呼びます。

アセスメントシートでは、介護認定を受けた背景や現状での課題、コミュニケーション能力や日常生活自立度などを、利用者本人や家族と面談して作成します。
ケアマネジメントをしていくために、とても大切なものになりますので、目的を理解し、また効率よく作成していきましょう。

またこのアセスメントシートは、ご利用者様やご家族、ケアマネージャー・医療関係者など様々な関連する職種の人が閲覧します。
プライバシーへの配慮もしなければなりませんが、他職種であっても分かりやすい内容で記載する必要性もあります。
 

利用者の状況を統合的に把握

アセスメントを行い、シートの作成を行うことで、利用者の状況を総合的に把握することができます。
また多職種間で情報の共有もしやすくなるので、アセスメントは非常に重要なものです。
利用者のニーズを共有することにもなりますので、わかりやすくまとめていく必要性があります。
サポートの必要な項目だけでなく、利用者本人がすでにできることや心身の状況、習慣としていることなど、本人ができることも記載しておくと、状況の理解が適切に行えるでしょう。
 

適切な介護サービスを提供するためのステップ

アセスメントを行うことで、適切な介護サービスを提供することができるようになります。利用者の要望や、目標設定、提供する介護支援の方向性を決定することに役立つのです。
適切な介護を行うためには、正確な情報や本人の意向、家族の状況など様々な情報が必要になります。

この時点でしっかりとした情報収集ができていないと、後から修正をすることが大変になってしまいます。
アセスメントは、様々な情報を集めて、評価し、その利用者にとって最適な介護計画書(ケアプラン)を作成するために、重要な役割を持っているといえるでしょう。
 

アセスメントとモニタリングとの違いとは?

アセスメントと似たもので、モニタリングがあります。
どちらも似たように利用者の状況を把握していく作業がありますが、アセスメントはケアプランを作成する前の段階で行うものです。特に新規で利用が始まる時など、事前に利用者の状況、状態を把握するために作成されます。
 
モニタリングはケアプランができあがり、支援が開始されてから定期的に状況を把握するために行われます。モニタリングでは、実施された支援が適切であるか、本人の状態が大きく変化していないか、課題が解決できたかなど、介護計画書(ケアプラン)に基づいて状況を確認していきます。
介護保険上でも重要なものになりますので、しっかりと行いましょう。
 

アセスメントシートの書き方の例と内容について詳しく解説


ここではアセスメントシートの書き方について説明します。
ここで紹介するのは、課題分析標準項目の23項目のうち、「基本情報」「現在の生活状況」「健康状態」「ADL」「 IADL」「心理社会的状況(認知・コミュニケーション能力等)」「リスクアセスメント(居住環境・食事摂取)」について、特にご共有させていただきます。
アセスメントシートは各所で様式が違うものがあるので、自分の施設や事業所ではどのようなものを使用しているのか、確認してください。
具体例を用いてアセスメントシートの書き方について説明します。

基本情報

まずは基本情報の記載を行います。基本情報とは、利用者様の氏名や住所など、基本的な部分です。
意外に間違って記載してしまっていたり、読み方や細かい漢字の間違えをすることがありますので、気をつけましょう。
またここでは介護サービスを受けるに至った経緯や、誰からの相談や紹介があったのかなど、アセスメントを行うまでの流れや、経緯が詳細に分かると、情報収集がしやすくなります。
 
【記入例】
●      利用者氏名:田中 太郎(たなか たろう)
●      年齢:78歳
●      生年月日:昭和〇年〇月〇日
●      性別:男性
●      住所:東京都新宿区
●      連絡先(電話番号):03-1234-5678
●      介護認定:要介護3
●      相談経路:地域包括支援センターに長男が相談をした
●      相談内容:時々長男が様子を見に来ているが、デイサービスに行く日を忘れていたり、準備をしていないような様子があった。また自宅では入浴をしていないような気がする、とのこと。デイサービス導入にはつながっているが、家族の不安がまだある。本人からは特に困った様子はない。
 

現在の生活状況

現在の生活状況として、本人がどのような生活をしているのか記入します。ここでは同居の家族がいるのか、介護サービスの利用の有無などもしっかり記入しましょう。
ここで家族との関係性や、その生活に至った経緯などがわかると、後からも役立ちます。また本人の生活歴として、職業(仕事の内容や会社など)、趣味、生活パターンなどがある場合も詳しく聞いておくと、今後の支援につながります。
 
【記入例】
●      居住状況:一人暮らし
●      住居状況:持ち家、二階建て
●      家族構成:妻は〇〇年に死去、長男あり(別居)
妻が亡くなってから、長男嫁との折り合いが悪く、同居を解消している。現在のキーパーソンは長男。長男嫁はかかわりがない。
●      職業:〇〇区役所に定年まで勤め、定年後は地域のボランティア活動に熱心に参加、自治会長を務めたこともある。
●      趣味:魚釣り、散歩、体を動かすこと。
●      日課:デイサービスを利用する前まで、毎朝の散歩、地域での子どもの見守りにほぼ毎日参加。
●      介護サービスの利用状況:デイサービス〇〇へ週3回(月、水、金)通っている。

トラブルなくデイサービスに行っているとのことだが、最近荷物を準備できていなかったり、忘れ物をしたりなどが、数回見られた。同じデイサービスを利用していた男性利用者の利用が終了してから、話し相手がいない様子があるとのこと。
 

健康状態 

健康状態については、本人からだけではなく主治医や担当の看護師から、正確な心身の情報を聞き取るようにしましょう。高齢者の場合、ほとんどが「大丈夫」「特に何もない」と言って、正確な情報が分からないことが多くあります。
また通院できているから、といって自立支援は不要だと思う人もいるのではないでしょうか。ですが実際は、病院へ受診することだけはできても、薬の管理ができず、飲み忘れたり、飲みすぎたりなどのことも発生しています。
また家族でも薬や通院の管理や把握ができていない場合があります。高齢になることで病気の種類が増え、それに伴って薬の種類が増えるなどがあり、把握することが難しいのです。
まずは医療関係者からの情報を持って、本人や家族との状況に照らし合わせていくことで、正確な情報になります。
 
【記入例】
●      既往歴:高血圧、糖尿病
●      現在の主な健康問題:転倒歴あり、歩行困難
●      服薬状況:血圧降下剤、糖尿病薬
●      認知症の有無:診断は出ていないが、軽度あり、徘徊や暴力的な行為はない。
 

ADL(Activities of Daily Living)の評価 

ここでは日常生活の状況を記入します。
ADLとは日常生活動作と呼ばれます。人が日常生活を送る上で、最低限必要な基本的な動作のことです。
そのため、すでにデイサービスなど介護サービスを利用している場合は、サービス利用中ではどのような状況かを、先に情報収集しておきましょう。また家族と同居の場合はどのようにしているかなど、細かい部分も分かると、本人からの聞き取りがスムーズになります。
 
【記入例】
●      食事: 自立、自力で摂取が可能
飲み込み良好、食事を残すこともない、〇〇は嫌いと本人より話がある。口腔内の状態は良好。
●      入浴: 部分介助
声掛け、指示出し、皮膚状態の観察などが必要。たまに背中がかゆいとデイサービスのスタッフに言っているとのこと。褥瘡はない。
●      排泄: 部分介助
見守り、付き添いが必要、トイレの場所が分からなくなることはない。失禁はないが、心配があるため、紙パンツを使用している。排尿は問題がないが、排便コントロールができているか、不明点。本人は便秘はしていないと言われる。
●      移動: 介助必要
ふらつくことが増え、手引き歩行もしくは杖が必要。自覚がないのか、急に立ち上がったり、外に出て行こうとしたりする。
●      着替え: 自立
見守り、声掛けが必要ではあるものの、動作は自力でできている。季節にあった衣類を自分で調整することができている。
●      清潔: 介助必要
たまに入浴に対して乗り気ではない時があると、デイサービスより情報あり。本人はあまり気にしていない。声掛けがないと入浴はしない。衛生面での不安が少しある。
●      体位変換:自立
自宅では布団を使用しているが、寝返りや立ち上がりなど自力でできている。
 

IADL(Instrumental Activities of Daily Living)の評価

ここでは日常生活の細かい部分を記入します。
IADLとは手段的日常生活動作と呼ばれるものです。ADLが日常生活の基本的な動作を指すのに対し、IADLはより判断力が必要であったり、計画性や細かい動きが必要である動作を指します。身体状況に関する動作だけでなく、自分自身で考えたり、場面によって適切な判断ができるかなどを基準にしていきましょう。
 
例えば、買い物はどこでどのようにしているのか、食事の準備や片付けなども含まれ、本人ができていると思っていても、意外にできていなかったり、不便な状態になっていることが多くあります。
 
ポイントとして、社会生活が送れているかを考えていくと、分かりやすいかもしれません。近所とのトラブルはないか、他者とトラブルを起こしそうな行動はないか、買い物はどこでしていて、どのようなものを買っているのかなどです。高齢になることにより、コミュニケーション能力の低下や認知症による社会性の問題点が出る可能性が高くあります。
具体的に考えていくと、本人への聞き取りもわかりやすくなります。
 
【記入例】
●      買い物: 介助必要
買い物には自力で行くことができないので、必要時は長男に連絡をしている。以前はお金を渡しておくと自力で近くのスーパーに買い物に行っていたが、最近はできていない。
●      調理: 介助必要
調理は昔からしたことがなく、妻が死去してからは総菜や弁当、パンなどを中心に食べている。栄養面での偏りが気になるが、本人は手軽に食べられるから助かるとのこと。
●      掃除: 介助必要
ゴミ捨て場は近くにあるのでなんとか捨てに行くことができている。分別がきちんとできているかは分からないが、今のところ近所とのトラブルはない。
自宅内は汚い様子はないが、トイレや寝室などをまだ確認できていない。
●      金銭管理: 介助必要
妻の死去後より、金銭管理は長男にお願いしているとのことで、本人の理解があった。食べるのに困っていないからよい、とのことで金銭への執着は見られない。管理について長男様へ再度確認が必要。
 

心理社会的状況(認知・コミュニケーション能力等)

心理社会的状況では、本人がなかなか口にできない状況であったり、心理的に陥っていることなどを記入します。介護サービスからの情報や、家族介護者などからの情報なども考慮に入れ、本人へしっかり尋ねていくことが必要です。
ですが信頼関係ができあがっていなかったり、アセスメントという場ではなかなか本心が言いにくいものです。また認知症など病気によって忘れてしまっていることも、あるでしょう。
その場合は、簡単に答えられるように工夫する、時間を空けて別の機会に聞いてみる、本人が信頼している人にも話を聞いてみるなど、工夫をする必要性があります。
 
【記入例】
●      認知症の有無: あり(軽度)
明確な診断がないので、診断をした病院の情報などを長男様へ確認する。主治医にも確認。必要であれば専門科の受診を検討する。
●      気分・感情: 不安感、孤独感あり
妻の死去より精神的に落ち込むことや、一人の時間が増えて寂しさを感じている様子があった。それ以来、地域での活動に参加もできていない。またデイサービスで同性の利用者様が少ないこともあり、孤独感を強めている様子がある。
●      コミュニケーション: 良好だが時々混乱
同じ話を繰り返したり、最初に尋ねたことを忘れていたりなど、短期記憶面での認知力低下が感じられた。話しをすると笑顔があり、他者とのコミュニケーションが嫌いではない様子がある。暴力、暴言などはないと長男より聞き取りができている。
 

リスクアセスメント(居住環境・食事摂取)

リスクアセスメントについては、今までの生活歴や病歴などから、これから考えられるリスクについてアセスメントをしていきます。
この時に、自宅の状況を知っておくことでリスクアセスメントも変化しますので、自宅を訪問し家屋調査も可能な限り行いましょう。
リスクアセスメントは、今後の緊急時にも欠かせないものとなります。起きる可能性があることを事前に考えておくことで、緊急時の体制を整えやすくなったり、利用者本人や家族だけでなく全体がスムーズに対応できます。
 
【記入例】
●      転倒リスク: 高い
先月デイサービスに行く前、自宅の廊下で転倒していた。骨折はなかったが打ち身が続き、痛みがひどかったとのこと。
●      食事リスク: 低い
嚥下状態は良好。お茶などしっかり飲み込んでおり、むせもなかった。デイサービスでも飲食に問題はないと言われている。食事の摂取量も良好だが、栄養面では改善が必要ではないか。
●      薬物管理リスク: 中程度
薬の管理は自分でしているので、薬の保管場所を教えていただいた。飲み残しはないが、自分が何の薬を飲んでいるかに対しての理解は薄く、朝の薬を昼に飲んだこともある、と言われた。
通院時は長男の付き添いがあるものの、薬の管理は本人に任せているとのこと。
 

ケアプランの方向性

アセスメントが完了したら、ケアプランの方向性を考えていきます。
本人の意思や希望、これからの生活、家族の思いなども含めて考えていきましょう。ケアプランは本人がこれからどのような生活を送りたいのか、在宅での生活についてどう考えているのかなど、具体的な方針です。

また在宅生活をいつまで、どのような状態になるまで続けるのか、本人と家族に意向を確かめておく必要性もあります。
介護施設への入所や短期入所(ショートステイ)の利用なども、視野に入れて話を進めていきましょう。
例えば、在宅生活が難しくなった時にどのような施設の種類があるのか、短期入所を利用するにしてもどのような施設形態があるのかなど、利用者本人や家族と話をしておく必要性があります。
介護保険の知識がない人からすると、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホームの違いや入所の基準など、制度上で決まっていることなどは事前に伝えておく方がよいでしょう。
 
【記入例】
●      短期目標: 安全な生活環境の確保、転倒防止対策の強化
●      長期目標: 自立した生活の維持、家族との交流の促進
 

ケアプランの具体的な内容

ケアプランの方向性が定まってから、ケアプランの具体的な内容に入っていきます。
今までの支援では足りなかったところ、逆に不要になったところなどを考え、新しい具体的な内容をまとめましょう。
ケアプランは日常的に行われる介護サービスの計画となります。そのため、不要となったところは、変更が必要です。
 
この時、本人に合った介護サービスや、デイサービス自体の変更も視野に入れます。
リハビリなどで体を動かしたい、男性から人気のあるデイサービスを勧めてみる、など介護サービスのプログラムなども把握した上で提案していくと、本人に合った場所を探すことができるのではないでしょうか。
 
また介護サービスが変更になった場合、費用面での変化もあります。介護サービスの料金の目安や、利用者本人や家族が負担できる金額も確認が必要です。
施設の利用をしたり、デイサービスの回数が増えると、それに伴い請求される金額も増えます。金額を気にする家庭もあるので、必ず説明をしましょう。
 
そして、現在の介護度と必要な支援内容が見合っていない場合は、ケアマネジャーより区分変更申請をしてもらい、再度要介護認定の見直しを検討することも必要です。
 
【記入例】
●      デイサービスの利用頻度を増やす: 週3回から週5回
体を動かすタイプの短時間デイサービスの利用、男性の多いデイサービスの選択、小規模多機能居宅介護などの利用も検討に入れ、デイサービスの利用頻度を考えましょう。
●      訪問介護の導入: 週2回、入浴介助と掃除を中心に行う
独居のため自宅での生活の不安を解消します。自宅で入浴ができるかどうか判断し、掃除や片付けなどの部分で、本人ができていないところを支援します。
●      リハビリテーション: 週1回、歩行訓練を行う
リハビリテーションに関しては様々な形があります。医療的な方面から、訪問看護を活用したり、デイサービスではなくデイケアに変更するなど、様々です。本人に合った方法を提案しましょう。
●      家庭内安全対策: 手すりの設置、滑り止めマットの導入
手すりの設置に関しては住宅改修が可能であるか、福祉用具の導入が可能であるか、福祉用具業者との調整をしましょう。住宅改修ではなく、福祉用具のレンタルをする方法もあります。
 

評価と見直し

アセスメントやケアプランには、評価と見直しが必要です。
おおむね3ヶ月毎に行うことが必要です。大きな変化がなければ、そのまま継続更新を行うこともできます。ですが、本人が日々生活する中で、大きな状態変化(転倒した、入院になった、病気をした、認知症が進行した、生活環境が大幅に変わったなど)がある場合は、速やかに行いましょう。
本人に変化がある場合、大きな影響が出ている可能性もあります。
また家族からの聞き取りを行ったり、使っている介護サービスの関係者に変化がないか、確認しましょう。
 
【記入例】
●      評価日: 2024年7月19日
●      次回見直し予定日: 2024年10月19日
 

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アセスメントを行う際のポイントについて詳しく解説!


アセスメントを行う時にポイントがありますので、以下で説明をしていきます。
利用者様本人からの話を聞くだけでなく、多職種との連携を取ること、その時にどのようなことをするとスムーズなのかなど、工夫していきましょう。関わりのある職種とのコミュニケーションが大切になりますので、ここで説明する内容を参考にしてみてください。
 

ご家族様や医師・看護師などの多方面からの利用者様の状況の収集

アセスメントを行う時、多方面からの情報収集が必要になります。
利用者様の言葉だけでは、認知症があって忘れてしまっていたり、理解ができておらずに伝えられなかったり、など様々な弊害があるからです。

そのようなことを防ぐために、家族の視点、受診した時の医師の視点、接した看護師の視点からなど、様々な方面から状況の収集を行いましょう。
介護と看護の視点では違う部分がありますので、客観的な事実をまとめます。
介護の場面以外からの情報は、とても大切な情報が多くありますので、しっかりと情報を集めましょう。
 

理学療法士や作業療法士などの専門家などとの連携の強化

リハビリテーション(リハビリ)と言っても、本人に必要なものは何なのか、本人ができること、支援が必要なことは何かを把握していくことが必要です。
リハビリテーションは辛いもの、楽しくないもの、と思われてしまうと、本人の意欲低下にもつながります。そのようなことにならないよう、専門職との連携が必要です。

理学療法士や作業療法士など、リハビリテーションの専門家との連携強化は、アセスメントをする上でも重要な事項になります。
また利用者本人が身体状況を向上したい、重視しているところは何か、家族からの希望などがある場合も専門家との意見をすり合わせていきましょう。
 

ご家族様とご利用者様同席でのアセスメントの場を設ける

アセスメントの場を設ける時にも注意が必要です。
利用者本人だけの話を聞いていると、できないことでもできると言ったり、分からないことを答えないなどの場面が多数見受けられます。
こういったことを防ぐために、ご家族も同席してもらうなどの工夫が必要です。

ですが、介護が必要になるまでの長い年月に、家族の関係性も他人からは分からないものがあるでしょう。
そういった場合、例えば最初は同席してもらい、後から別の場所で聞き取りをする、電話などを活用して聞き取りをするなど、それぞれの関係性に配慮した対応が必要です。
 

場合によっては、主治医や担当の専門家の同席を求める

利用者様の状況に合わせて、主治医の意見を聞いたり、場合によっては同席を求めることも重要です。
または利用者様の病状をよく把握している看護師に同席を求める、事前に意見を聞いておくなどの情報収集をしておくと、忙しい医療職でも参加がしやすくなります。
また現在はIT化も進んでいますので、リモートで参加してもらったりすることも検討しましょう。
 

アセスメントを行う際に注意するべき点について解説!


次にアセスメントを行う際に注意するべき4点を、以下で解説します。
アセスメントをスムーズに進めることは、利用者のケアにとって重要なことです。また多職種が関わっている場合も、時間や場所などの制約があるため、注意点を事前に知っておき、工夫をしましょう。
 

長時間の聞き取りはできるだけ避ける

利用者は高齢で体力が落ちてくるのも現実です。長時間の聞き取りで、複雑な質問や分かりにくい内容が続いてしまうと疲れてしまい、実際の状況を正確に聞き取りができなくなる可能性があります。
そのような状況を作らない工夫をし、できるだけ分かりやすく短時間で終わるように心がけましょう。

またそれは多職種が関わっている時も同じです。特に主治医や看護師などは、他の患者様も担当しているので時間の制約があります。
長時間にならないよう、聞き取り内容などを事前にまとめたり、事前に渡しておくなどのしましょう。
 

事前に病院などからの情報を収集、整理を行なっておく

病院や関係各所に、情報がある場合もあります。
そのようなことを考慮し、事前に連絡を入れて情報収集を行い、資料を作成したり、整理をしておくことでアセスメント担当者自身も、事前に把握することができるでしょう。
この場合、どんな情報が欲しいのか、利用者本人の状況を具体的に尋ねるようにして、分かりやすく情報を得るようにしていきます。
 

専門的な質問や説明を求められた際のインフォムードコンセントをしっかり行う

アセスメントを行う時に、専門的な質問や説明を求められた時は、きちんと理解をした上で返答をしましょう。
間違った情報を伝えてしまったり、誤解を招くような言い方になってしまう場合があります。
また内容によっては、その専門家に直接説明を頼んだ方がよいこともありますので、1人で判断せずにまずは相談するようにしましょう。
 

聞き取りを行った際の記録は正確に記録を行う

正確な記録はとても重要になります。利用者様のこれからの支援の方向性が決まっていくからです。
またその記録をもとにケアプランの作成、主治医など多職種との連携、家族の協力内容などが変化することがあります。

情報共有として多職種に渡った時、情報が足りなかったり、間違っているようなことがないように気を付けてください。
書き方として5W1hを意識して記録をします。

●      When(いつ)
●      Where(どこで)
●      Who(誰が)
●      What(何を)
●      Why(なぜ)
●     How(どのように)

これらを意識して書くことで、関わる職員や医療職でも分かりやすい記録になります。
 

介護現場に進むDX・ICTの活用について


介護現場でもDX・ICT化が進んでいます。介護現場でのデジタル技術は介護業務のワークフローを変革しつつあります。
様々な形で取り入れられていますが、記録や情報共有の面では特に活用が進んでいるのではないでしょうか。

介護現場の深刻な人手不足、人材不足、重労働などの負担を軽減するためにも、介護現場でのDX・ICT化を推進していくことは、重要なことになります。
アセスメントを行う場合でも、活用することができますので、まだ導入されていない場合は導入をぜひ検討してみてください。
 

LIFEの活用によるデータの収集とモニタリングに関する分析

国が進めているLIFEの活用は、単なるデータの収集ではありません。
これをもとに利用者様の支援について、さらに適切なものを考えていくことができます。
また適切なデータの収集ができていると、それをもとにモニタリングをしたり、分析をすることが容易にできるようになります。
LIFEの活用により、事業所は加算の対象になることもありますので、利用者本人の状況把握だけでなく、LIFEの活用も推進していきましょう。
 

アセスメントの入力内容からのケアプランの評価

アセスメントを入力することで、その内容からケアプランの評価へつながります。
ケアプランは利用者様本人の満足度だけではなく、どのように状態が変化したのか、生活が支援できているかなど、様々な視点からの評価が必要です。
そのようなこと考える時に、ICTを活用することで情報の一元化や、前回のケアプランとの比較などをすることができます。
 

アセスメントの一助となるLASHIC-careの特徴


LASHIC-careは、単なるセンサーや管理システムだけではありません。
利用者の生活パターンや夜間の様子、離床のタイミングなどをAIが把握することができます。そこで集まった情報は一元化され、ケアカンファレンスやモニタリングでの共通認識へつながるのです。
経験則からの話し合いではなく、根拠のあるデータを持って話ができるので、経験の浅いスタッフでも十分に理解して、ケアをすることができるようになります。
研修で得た知識と、根拠のあるデータ情報の共有の両方を合わせて、実践的なケアをできるようになります。

一般的に介護業界は、研修の多さや不規則な業務形態のため、なかなか学ぶ環境を作ることが難しいのが現状です。
ですが、このようにDX・ICT化を推進していくことで、業務をしながら効率よく学びにつなげることができます。
また介護施設限定ではなく、在宅介護での場面でも導入することができます。介護の悩みを持つ家族に向けて、活用していくことも重要です。
 

まとめ


ここまでアセスメントシートの書き方や注意点などを説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
アセスメントやケアプランは難しいと思われがちですが、まずは本人の意向や家族の状況にもよります。

近年、核家族化が進んでいたり、同居をしない家族の形も増えているので、家族のサポートが難しいケースも多いでしょう。
その場合、本人や家族はどうしたいのか、どこまでは支援が可能なのか、しっかりと考えていくために、アセスメントは重要なものとなります。
利用者様のケアがスムーズにできるように、しっかりとアセスメントを行っていきましょう。 アセスメントシートの記入を例とその説明をお願いします。

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