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【緊急時対応】訪室時に異常を発見した場合、何をすべき?

作成日:2022/10/10

更新日:2024/04/09

【緊急時対応】訪室時に異常を発見した場合、何をすべき?


介護士のなかには「訪室した際の緊急時対応」について、不安を感じながら日々の業務をされている方もいるのではないでしょうか。
 
とくに職員が少ない夜勤中に「利用者さまの意識がなくなっている」「転倒して激しく痛がっている」などの異常を発見した場合は、発見者としての責任にプレッシャーを感じることでしょう。
 
このような不安を解消するためには、緊急時の対応方法・手順などを事前に整理しておくことが重要です。本記事では、緊急時対応について焦点をあてて解説します。

訪室時によくある異常・緊急事態とは

緊急時対応をするためには、まずどのようなケースが異常であるのかを判断できなければなりません。そこで、訪室時によくある異常・緊急事態について紹介します。
 

意識レベルが低下している

訪室した際に意識がもうろうとしていたり、介護士の呼びかけに反応がなかったりと意識レベルが低下している場合です。脳血管系の疾患を発症していることや、容体が急変しているなどの重大な異変が起きている可能性もあります。
 

転倒・転落している

訪室時に利用者さまが転倒・転落している場合です。そのような際に、激しく痛がっている場合などは骨折している可能性もありますし、頭をぶつけているようであれば脳内出血が起こる可能性もあります。緊急を要する場合もありますので、注意が必要です。
 

居室で嘔吐されている

利用者さまが嘔吐されているケースは、まず窒息するのを予防しなければなりません。また、感染症の疑いもあるため吐物の処理方法や対応方法について、感染対策マニュアルに沿った行動が必要となります。
 

頭・胸を痛がっている

頭が痛いと訴えがある場合は、くも膜下出血や脳内出血などの重大な疾患の可能性があります。胸を痛がっている場合は、心筋梗塞・狭心症などの恐れもあります。いつもとは違う箇所を痛がる場合には注意が必要です。
 

呼吸を苦しそうにしている

呼吸を苦しそうにしている場合は、誤嚥や窒息している状態かもしれません。また、呼吸器系の疾患がある場合もあります。
 
ほかにも顔色が青白い・発熱しているなど、いつもと違う状態の場合は異常が発生していると考えて行動する必要があります。

緊急時対応における5つのポイント

前章で紹介したような異常を発見した際、スムーズな緊急時対応をするためには、以下の5つのポイントが重要です。
 
・事前に救急対応マニュアルを確認する
・バイタルサインなどで状況を確認する
・看護師や他の職員と連携を図る
・救急車を手配する判断基準を決める
・伝えるべき項目を整理してから家族へ連絡する
 
以下より、5つのポイントについて詳しく解説します。
 

事前に救急対応マニュアルを確認する

緊急時対応の1つ目のポイントは、事前に救急対応マニュアルを確認することです。

東京都では緊急対応をスムーズにできることを目的として、高齢者施設ごとの実態に合わせた緊急対応マニュアルの作成を求めています。他の道府県でも同様に、緊急対応マニュアルを整備している介護施設も多いことでしょう。
 
救急対応マニュアルは、介護施設の人員配置やかかりつけ医との協力体制など、実態に合わせて作成されています。そのため、マニュアルを把握することが緊急時対応の第一歩といえます。
 
救急対応マニュアルには、発見者・介護士がするべき行動を図にあらわしたフロー図も含まれています。フロー図をすぐに参照できる場所に掲示しておくのも、いざというときの安心につながります。
 
また、救急対応マニュアルをまだ作成していない介護施設さまにおいては、東京都のガイドラインを参考にするとわかりやすいマニュアルを作成できるでしょう。

バイタルサインなどで状況を確認する

2つ目のポイントは、バイタルサインなどで本人の状況を確認することです。

訪室時にいつもと違う・異常と感じた場合は、すぐにでも意識レベル・体温・脈拍・血圧・呼吸数などのバイタルサインを確認しましょう。一般的な成人の正常値は次のとおりで、この数値やいつもの数値と大きく異なる場合は、体調急変の兆候かもしれません。

項目       成人の標準値
体温       36.0℃~37.0℃
脈拍       60~100回/分
血圧       最大130~110 最低60~90
呼吸       毎分15~20回 
参考:公益社団法人 東京都医師会「状態の観察と緊急時の対応」
https://www.tokyo.med.or.jp/docs/chiiki_care_guidebook/217_236_chapter07.pdf

 
意識レベルはJCS・3-3-9度方式で確認することで、救急車を手配する際に状態を伝えやすくなります。JCSは「JCSレベル1」「JCSレベル10」「JCSレベル100」のように数字で表し、桁が大きくなるほど重度な意識障害を意味します。
 
JCSレベル1であれば、意識障害がみられるものの話はできる状態です。JCSレベル10であれば意識が混濁しており、呼びかけなどの刺激がないと傾眠してしまう状態です。JCSレベル100となると刺激しても覚醒しない場合となります。
 
ほかにも、転倒であれば「ケガや出血がないか」「痛みがないか」「頭をぶつけていないか」の確認が必要です。このように、異常や緊急時のケースに合わせて必要なバイタルチェックを行いましょう。
 

看護師や他の職員と連携を図る

緊急時対応を円滑に行うための3つ目のポイントは、看護師や他の職員と連携を図ることです。
 
介護士が異常を発見した場合は、ナースコールやPHS・スマホなどを活用して、他の職員や看護師と連携をしましょう。緊急時は対応しなければならないことも多く、1人では難しい場面もあるためです。
 
例えば複数人の職員を確保できる場合は、ケガの処置・AEDの用意・救急車の手配・家族への連絡など、分担することでスピーディに対応できるでしょう。
 
また、緊急性が高いかどうかの判断についても、専門職である看護師の判断を仰ぐ必要があります。
 
問題となりやすいのは、夜間の職員が少ない時間帯です。介護施設によっては夜間に看護師が不在となる場合も少なくないでしょう。少ない人数で多くのことに対応するのは難しくなるため、介護士が不安を感じる時間帯でもあります。
 
そのような介護施設においては、緊急時に看護師へスムーズに連絡できるかどうかが重要です。必要なときに看護師に連絡・相談できることは、介護士の安心にもつながるためです。
 

救急車を手配する判断基準を決める


4つ目のポイントは、救急車を手配する判断基準を決めることです。
 
バイタルサインや本人の状態から、看護師やかかりつけ医が緊急受診の必要性があると判断した場合に救急車を手配します。緊急性の低い場合でも救急車を呼んでしまうと、様々なトラブルの原因となるためです。
 
しかし、窒息している状態・心肺停止の状態などのように、一刻を争う場合は看護師の指示がなくても救急車を要請しましょう。
 
東京消防庁のサイトでも公開しているように、救急車が到着するまでの時間がかかるほど命が助かる可能性が下がっていきます。東京都の調査によると、救急車が出動してから到着するまでの平均時間は6分35秒です。つまり、1分1秒でも早く救急車を呼ぶことが利用者さまの命を救うことにつながります。
 
このため、看護師やかかりつけ医の判断を仰がずに救急車を呼ぶケースについては、事前に決めておくとわかりやすいでしょう。
 

伝えるべき項目を整理してから家族へ連絡する

5つ目のポイントは、伝えるべき項目を整理してから家族へ連絡することです。
 
利用者さまのご家族にとって、体調の急変やケガなどがあった場合は連絡して欲しいはずです。とくに、救急車で運ばれる事態となった場合は、経緯・搬送先・病状など詳しい情報も聞きたいでしょう。
 
しかし、ご家族への連絡をすぐにしようと焦ってしまい「伝えるべき項目を整理しないまま連絡する」と、家族が詳しい情報について聞いても答えられないことになり、かえって不信感を持たれる結果にもなりかねません。
 
緊急性の高い場合を除き、ご家族への連絡は以下のような伝えるべき項目を整理してからするとスムーズに伝達できます。
 
・事故の場合は至った経緯
・本人の状態
・緊急受診の必要性
・緊急受診先の病院名 等
 
また、ご家族の連絡可能な時間にするのも重要なポイントです。仕事中に連絡すれば迷惑となることもありますので、緊急度の低い連絡事項に関してはご家族の都合に合わせた時間帯にすると良いでしょう。

緊急時に対応するためには、日頃からの訓練が重要 

緊急対応マニュアルを熟読しても、5つのポイントを理解しても緊急時対応への不安がある介護士もいるかもしれません。なぜなら、緊急時対応は利用者の状態によって優先して対応すべきことが変わるため、状況に応じて臨機応変な対応が求められるためです。
 
そのため、緊急時にスムーズな対応をするためには、日頃からの訓練が重要です。
 
例えば、「窒息している場合」「心肺停止で発見した場合」「床に転倒している場合」「嘔吐している場合」など、細かなシチュエーションに分けて対応方法を確認する勉強会・訓練などが有効でしょう。
 
普段の業務の中ではなかなか緊急時対応をする機会はありませんので、何度も勉強会や訓練をすることで、いざというときに動けるようになります。

LASHICなら、データで異常が起こる前から状況を把握 

弊社の「LASHIC-care(ラシク)」ならデータで異常が起こる前から状況を把握できます。

LASHIC-care(ラシク)の特徴は各種センサーを用いることで、利用者さまの状態をリアルタイムでモニタリングできることです。そのセンサーから取得されるデータをシステムが解析し「いつもと違う」と判断すると、介護士へ通報する機能が搭載されています。より早く異常を発見するのに役立つでしょう。
 
また、世界初の「離床予測」の機能も搭載されています。これまでのセンサーであれば、離床してからアラームで知らせるため間に合わないケースもありました。LASHIC-care(ラシク)であれば、「もうすぐ起きる」が予測できるので素早い対応が可能となります。
 
転倒を防止することで夜間の緊急時対応を減らせるほか、センサーにより利用者さまの状態をモニターで確認できるので巡視業務の削減にもつながります。
 
利用者さまの安全・安心をサポートしながら、介護士の業務負担にもつながる「LASHIC-care(ラシク)」にご興味のある方はお気軽にお問合せください。

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