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施設長と管理者の業務内容の違いや求められるスキル・資格について解説!

作成日:2024/09/16

更新日:2024/10/28

介護施設のリーダーの仕事は、運営やサービス内容の検討、人材のマネジメントや管理等多岐に渡ります。介護施設のマネジメントをしている人を施設長と呼びます。管理者は業務管理や職員のシフト勤務などの調整を行う人のことです。

「施設長」と「管理者」は介護施設での「長(トップ)」ですが、業務内容は異なります。今回の記事では介護施設の責任者である、施設長と管理者の業務内容の違いや求められるスキル・資格について解説します。ぜひ、ご覧頂き参考にしてください。

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介護施設における施設長の仕事とは




まず最初に介護施設で働く施設長の仕事内容について紹介します。
施設長の仕事内容は入居者・利用者へのサービス提供はもちろん、行政や公的な機関に必要な書類の届出・提出、制度内容について問い合わせをしたりと様々です。

施設全体の管理と統括をする最高責任者

施設長は施設全体の管理と統括をする最高責任者です。介護施設には介護士や看護師、栄養士、生活相談員・ケアマネなど各専門の業種がいます。
専門職の中にも各種管理職がいますが、施設に勤務しているスタッフ、管理職をすべて管理するのが施設長の仕事です。

施設の予算管理、施設の設備・環境の整備

利用者や入居者との契約業務、介護報酬の請求作業と収支や利益確認、施設の補修や修繕に必要な経費の申請と確認、スタッフの給与の支払などを行います。
介護報酬の請求業務では、介護保険法の規定などをチェックし、算定出来る加算の計算もしなければならないため大変な作業です。介護保険は3年ごとに報酬が改定が行われており、2024年は改定の年だったため施設長の仕事は大変でした。

職員の採用・教育・評価

施設長になると就職希望者の採用面接や定期的にスタッフと面談を実施します。職員の採用・教育・評価など人事的な仕事も施設長の役割になります。とくに介護事業を運営しているさまざまな企業は人材難のため、積極的に求人情報をサイトに掲載し、労働者の獲得を狙っています。
施設長は常に職員一人ひとりの状況把握をしておくことが必要です。職員がキャリアアップやステップアップするために、指導したり、相談に応じるなどのスキルも必要です。

その他にも、働いているスタッフに現場での課題や働く環境などを把握するためにアンケートを実施し、施設の課題分析などを行います。

利用者やその家族との重要な対応や問題の解決に関与

施設長になると利用者や家族とのコミュニケーション、対応がとても重要です。利用者の現病歴や既往歴を正確に把握し、ケアマネジャーが作成したケアプランをもとに適切に介護サービスが提供されされているかを利用者・家族に確認します。

施設内での利用者や家族とのトラブルは避けたいものですが、どうしてもトラブルを無くすことは難しいです。トラブルになったときには、施設長が相談の窓口となり対応をしなければなりません。また、トラブルの対応を終えたらトラブルの原因を分析・特定し、対応の見直しまで行います。


介護施設における管理者の仕事とは




次は「管理者」の仕事内容について解説します。管理者は施設長の下で現場をマネジメントすることが求められます。具体的な職務内容は下記の4つです。

施設長の方針に基づいて日常の業務管理、運営を担当

施設長は施設全体の管理をすることが主な仕事ですが、管理者は施設長の業務や運営方針に基づいて日常の業務管理を行ったり、運営のサポートを担当します。
例えば、施設の運営面では、現場で職員の人員配置を考えたり、部署をまとめる仕事を担当します。スタッフが気持ち良く仕事が出来るために職場環境の改善に取り組むスキルが必要です。

職員のシフト管理、業務分担、職員の指導・育成を行う

スタッフの勤務予定表の作成を管理者の方がすることもあります。老人ホームなど入居系施設で管理者をする場合、夜勤者の人員確保・勤務調整が必要です。

施設の規模が大きく、社員の人員が多い場合は、チーム制にしてチーム内で業務分担をして日々の業務の効率化を図ります。
入職1・2年目など若手がいる職場では、若手職員向けに入社研修や指導・教育を行ったり、中堅やベテラン職員向けに臨床研修や講習会を開き、次期管理者候補の育成をすることもあります。

利用者の日常ケアやサービス提供の監督業務

管理者が現場で利用者のケアやサービス提供をすることもあります。
現場では他のスタッフと一緒に働きますが、監督者として利用者全体に目配りすることも必要です。
利用者へのサービスが十分提供出来ていなかったら、担当者と話し合いを行い課題解決をすることも大切です。

利用者やその家族からのお問い合わせ、クレーム対応

利用者や利用者家族からの問い合わせ対応をすることも管理者の業務です。介護保険のサービスは制度上非常に複雑です。問い合わせには利用者や家族が理解出来るように、専門的な言葉をより分かりやすい表現で伝えるコミュニケーション能力が求められます。
クレーム対応では問題が起きた時の状況を確認し、丁寧な言葉で利用者や家族に謝罪しなければなりません。また、今後クレームが発生しないように問題点を改善する方法を事業所内で検討することも必要です。

施設長と管理者の違いとは?


ここまで「施設長」と「管理者」の仕事内容について紹介をしました。
ただ、会社によっては施設長と管理者が同じ言葉で利用されていることも珍しくありません。ここでは施設長と管理者の違いについて解説します。

実は明確に規定されていない!?

 
実は介護施設において、施設長と管理者の明確な定義や基準はありません。
そのため職場によっては、施設長と管理者を兼務している場所や、管理者の立場の方が複数名在籍されているケース、施設長のみ・管理者どちらかのみの場所も実際にあります。
この辺りは運営法人の考え方によって役職の名前が異なります。

介護施設で一番上の立場が施設長


もし、職場で施設長と管理者の二人がいた場合、立場的には施設長の方が上です。
施設長は介護施設のトップであるため、介護施設の利用者や職員のマネジメント、設備の修繕やメンテナンス、安定した経営などを行います。

デイサービスの施設長になると、利用者の獲得のために外部の事業者に営業などの広報活動に行く事も珍しくないです。他にも職員の人員配置を満たすために求人の募集をしたりします。
事業所に人事や労務管理の担当スタッフがいない場合は、職員の給料を管理者が管理するケースもあります。

施設長の方針の元にマネジメント職の業務にあたるのが管理者


管理者は施設長の方針をもとに現場のマネジメント業務を行います。スタッフが日々の業務に集中して取り組めるよう、職場の雰囲気に配慮したり、職員の悩みをしっかりと聞きサポートする能力も必要です。また、時には現場で実務にあたることもあります。
現場のマネジメント以外にも施設長に向けて運営状況の報告書を作成したり、介護報酬の受け取り状況を確認するなど、運営面に対しての管理業務や知識も必要です。

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施設長・管理者に求められるスキルと資格は施設別で異なる




ここまで施設長と管理者の大まかな違いをご紹介しました。ここからは、施設長・管理者に求められる各施設の要件などについて下記の目次に沿ってご紹介します。
施設ごとに求められるスキルは異なるため要チェックです。

デイサービス・有料老人ホームの場合

デイサービスは、利用者が自宅から事業所に通い機能訓練やアクティビティをして1日を過ごす通所型の事業所の事です。デイサービスセンターの施設長・管理者になるために必要な資格はありません。ですが、介護の仕事が未経験の方で管理者や施設になることは難しいです。
介護福祉士や介護支援専門員などで介護業界でのキャリアを経験されている方が就任しているケースが多いです。

有料老人ホームは、高齢者の方が住まれている賃貸住宅の事です。有料老人ホームには住宅型有料老人ホームや介護付き有料老人ホームなどの種類があります。また、異なる形態の老人ホームでサービス付き高齢者向け住宅も高齢者の集合住宅です。
有料老人ホームで施設長・管理者になるためには、基本的に無資格でも可能です。ですが、ケアマネージャー(ケアマネ)や社会福祉士の資格を取得されている人が施設長・管理者になるケースが多いです。

介護老人保健施設


介護老人保健施設とは、一般的に老健と呼ばれる施設のことです。老健では、高齢者の方が在宅復帰するために医療サービスの提供やリハビリを行う所です。老健には医師が常勤で配置されているのが特徴です。そのため、医師による医療行為、看護師よる処置を受けることが可能です。

老健で管理者になるためには、下記の条件(介護保険法第95条)があります。

  • 介護老人保健施設の開設者は、都道府県知事の承認を受けた医師に当該介護老人保健施設を管理させなければならない。
  • 都道府県知事の承認を受け、医師以外の者に管理させることが出来る。

※引用元:施設長の資格要件等 (mhlw.go.jp)

特別養護老人ホーム


介護老人福祉施設のことを特別養護老人ホーム(特養)と言います。特養は原則要介護3以上の方が入居できる福祉施設の事です。そのため、入居者の方は日常的に介護が必要になる様な方が多く入居されます。
福祉施設の特養で施設長になるためには、資格要件が厚生労働省(基準省令第5条第1項)で定められており、以下の条件の一覧を満たす必要があります。

● 社会福祉主事の要件を満たすもの
● 社会福祉事業に2年以上従事したもの
● 社会福祉施設長資格認定講習会を受講したもの


これらの条件を守り、研修を修了した後に特養の施設長の役職に就くことができます。一方で管理者の資格要件はとくにありません。
※引用元:施設長の資格要件等 (mhlw.go.jp)

認知症グループホーム


グループホームは、要支援2、要介護1から5の方で認知症の診断がある方が入居して生活する施設の事です。認知症には様々な種類があります(例えばアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など)。グループホームに入居するためにはいずれかの認知症の診断があれば入居することが可能です。
グループホームで管理者になるためには以下の要件を全て満たすことが必須です。

● 指定された施設での従事者または訪問介護員として、認知症介護の経験が3年以上ある者
● 厚生労働大臣が定める「認知症対応型サービス事業者管理者研修」を修了した者

上記の条件をクリアすることで、グループホームの管理者に必要な資格と経験を持つことができます。

施設長と管理者のそれぞれのやりがい




介護の仕事は魅力あふれる仕事です。中でも施設長と管理者の仕事は大変な一面もありますが、やりがいのある仕事です。ここからは、施設長と管理者のそれぞれのやりがいについて紹介します。

施設長のやりがいとは


ここまで紹介してきたように、施設長になるとその介護事業のトップとなることが多いため、施設運営の経営者として働きます。効率が良い経営をするために色々とプレッシャーがありますが、上手く施設運営をすることはとてもやりがいがあると感じます。
仕事の多忙さに比例して給与やキャリアも確実にアップするでしょう。また、施設長まで昇進すれば転職活動でも有利です。自身のキャリアアップを希望する方にとって、施設長になることは最適なポジションだと言えるでしょう。

管理者のやりがいとは

管理者は現場のマネジメント業務にあたることが多いため、管理業務に加え現場での職員の指導や利用者の支援を行う事もあります。現場と管理の両方を行うことが出来る点は管理者の魅力です。
管理者に昇進すれば、年収も上がる可能性が非常に高いです。管理者を目指して色々な資格を取得したり、経験をすることは大切です。

施設長と管理者を目指すには




最後に施設長と管理者を目指すための方法について紹介します。介護職として施設長と管理者になることは自身のキャリにおいて大きなステップとなります。

施設長を目指すには


先ほどご紹介したように、施設長になるためには各施設で要件が異なります。資格を持っておく事も必要ですし、ほかにも要件が定められた研修を終えなければなりません。
資格の試験や研修の実施頻度は年一回のケースもあるため、入念な準備と計画が必要です。「自分が施設長になるためにはどの資格が必要なのか?」を明確にして試験に望みましょう。

管理者を目指すには


管理者を目指すには、介護職の正社員として現場で勤務をし、豊富な経験を積み重ねるところからスタートしましょう。
介護職としての経験があれば、介護の仕事の内容を理解しやすいためおすすめです。管理者の業務には利用者や職員のマネジメントがあります。
現場の大変さを理解することで、利用者やスタッフの気持ちにより沿ったよりよいマネジメントができるでしょう。

まとめ

 


施設長と管理者の業務内容の違いや求められるスキル・資格について解説をしました。施設長と管理者の業務内容は異なりますし、必要な資格も違います。
ですが介護施設や介護現場のマネージャーとして働くことが可能なのは、両者に共通していることです。
施設長や管理職になれば月給の処遇手当が上がるため年収額が高くなりますし、活躍できる業務も広がり、キャリアアップ、能力アップも期待できます。大変なお仕事ですがメリットも多いです。
介護業界で人気のある施設長や管理者になりたいと今考えている方にとって今回の情報が役に立ちましたら嬉しいです。

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